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ゴルフ界の変わり者・デシャンボー。
物理科学を駆使し、プレーはスロー。
 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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photograph byAFLO

posted2019/02/13 07:00

ゴルフ界の変わり者・デシャンボー。物理科学を駆使し、プレーはスロー。<Number Web> photograph by AFLO

今シーズンは絶好調のデシャンボー。スタイルの認知度も上がるため、落ち着きどころを見つけてほしい。

試合中のコンパス使用、ピンフラッグ。

 だが、世間から大きな注目を集めているのは、彼のナイスガイ的な一面より、やっぱり科学者的な彼が披露する斬新でユニークな言動のほうだ。

 昨年終盤は試合中にコンパスを使用してルール違反に問われ、ちょっとした騒動になった。デシャンボーいわく「ピン位置を正確に知るためにコンパスを使っている」。それはそれで驚かされたのだが、もっと驚かされたのは「これまでもずっと使っていた」というところだ。

 これまで一度もルール違反に問われたことはなかったそうだ。が、米ツアーで頭角を現した途端に「ルール違反の指摘を受けるなんて変だよね」。彼がそう言い放ったことが騒動を一層拡大したことは言うまでもない(後日、最終的にルール違反と結論された)。

 今年1月1日から新しいゴルフルールが施行された。それに先立ち、新ルールを利用してピンフラッグを差したままパットするか、それとも従来通りにピンフラッグを抜いてパットするかが取り沙汰され、独自の意見を最も積極的に語ったのはデシャンボーだった。

 しかも、その内容はとてもユニークで、ピンフラッグは可能な限り、差したままパットするが、竿部分のマテリアルと反発性次第で「差したまま」か「抜くか」を臨機応変に変えると彼は言い切り、人々を大いに驚かせた。

 独自の意見や考え方を憶することなく主張するデシャンボー。その独自性は現在のゴルフ界においては、とても斬新で奇抜に感じられるため、彼は「マッド・サイエンティスト」と呼ばれるのみならず、奇異の目を向けられたり、しばしば首を傾げられたりもする。

 彼に対する見方や評価はケース・バイ・ケースではあるが、往々にして賛否両論を巻き起こす。賛否の割合は「7:3」だったり、「5:5」だったり、ときには「3:7」になったりと大きく変化する。

同組の選手がいらだつスロープレー。

 つい先日、デシャンボーは欧州ツアーのドバイ・デザート・クラシックで勝利を挙げた。この5カ月で世界4勝。デビューからわずか3年で米ツアー通算5勝、欧州1勝を達成した成長ぶりには目を見張るものがある。

 だが、デシャンボーがスロープレーで「オン・ザ・クロック」になったこと、つまりラウンド中にルール委員から計測されたのは、この何カ月でトータル何回というより、「ほぼ毎試合」。その頻度には目を疑うものがある。

 ドバイでも、やっぱりオン・ザ・クロックになり、一緒に回っていた選手が「どうしたら1ショットに1分15秒も20秒もかかるのか?」とイライラを露わにしていた。ケプカのみならず他選手たちからもデシャンボーのスロープレーに対する批判の声は多数上がっている。

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ブライソン・デシャンボー

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