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ゴルフ史上最大級のルール変更。
捜索時間から旗竿、キャディーまで。

posted2019/02/08 11:00

 
ゴルフ史上最大級のルール変更。捜索時間から旗竿、キャディーまで。<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

ピンをさしたままパッティング、という珍しい場面。松山英樹は「どっちがいいかわからない」と様子見。

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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Yoichi Katsuragawa

 サッカーのルールは全部で「17しかない」というのは、スポーツ好きの間ではよく知られたことかもしれない。

 規則をつかさどるのは国際サッカー評議会(IFAB)というところで、日本サッカー協会のウェブサイトから、同機関が発行している競技規則をのぞいてみると確かに「第1条 競技のフィールド」から「第17条 コーナーキック」という条文にまとめられている。

 それで言うと、ゴルフのルールは全部で24である。

 全米ゴルフ協会(USGA)とロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフクラブ・オブ・セントアンドリュース(R&A)によって統括されるゴルフ規則は、「規則1 ゲーム、プレーヤーの行動、規則」にはじまり、「規則24 ティーム(チーム)競技」で締められる。

「意外と少ない」と思うことなかれ。

 両方の日本語版ルールブックの文字数を起こすと、サッカーの規則はおよそ3万9000字。一方ゴルフは13万字以上ある(どちらも補足事項等を除く)。今年1月、ゴルフ人口の減少に歯止めをかけるべく、簡素化された新規則でもそうなのだ。審判がいないこと、自然を相手にプレーするスポーツという事情が相まって、決めごとが実に多い。

 プロゴルファーたちが戦う世界のツアーでも、規則改正に伴い、2019年の始まりはなんだかドタバタしている。

旗がついたままパッティング。

 今回はこの1カ月で起こった、新ルールにまつわる話題をおさらい。ちなみに、エンジョイゴルファーが今後お世話になりそうな、OBショットの後の救済、距離計測器の使用許可といった規則改正は、プロツアーの多くが導入しないため、タッチしませんがあしからず。

○ピンフラッグは抜かなくてOK(規則13.2a)

 昨年までの規則では、パットは旗竿を抜いてから行う必要があった。グリーン上からストロークした球がピンに当たると2罰打を科されたが、新ルールでは無罰に。旗竿を抜いて打つべきか、残したまま打つかを考えるのはまさにトレンドだ。

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