“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
J2新潟・早川史哉が復帰できたから
楽しめる「サッカーの難しさ」とは。
posted2019/02/11 08:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
サッカーのピッチは他の競技と比べると広い。最大で縦110m×横75mの広大なスペースの中に選手が11対11で配置され、複雑に絡み合った動きとボールに対応しなければいけない。
ごく当たり前のことだが、アルビレックス新潟のDF早川史哉は、「サッカー」というスポーツの難しさを体感している最中にある。
早川は昨年に急性白血病から復帰すると、11月には選手契約の凍結が解除され、正式に新潟の選手として復帰。現在、新シーズンを控えた高知キャンプでフルメニューをこなすまでに復調した。
そんな彼は今、改めてサッカーというものの難しさ、奥深さに直面している。
頭と身体のリンクの難しさ。
「自分のイメージが全然作れていないと思います。違和感しかないですね」
2月2日に行われたカマタマーレ讃岐との練習試合。45分×3本で行われた練習試合の3本目に、早川はCBとして出場した。
2本目終了の段階で2-0でリードしていた新潟だったが、この45分間で2失点し、一時は同点に追いつかれた。結果的には4-2で勝利したが、早川にとっては到底納得のいく出来ではなかった。
「まだ試合に入れていないと感じます。試合勘もなくなっているけど、それ以上に『ここなのかな』と思っている場所が実際と全然違って、自分の位置把握が難しいんです。ボールに寄せたりスライディングで奪えてはいるんですが、空間的な把握となると少し不安がよぎる。特にクロスが難しくて、振られた時にどこに戻るか、距離を詰めるかがなかなか一致しないんです。
あとは自分達がボールを持って、ボランチが前にいる場合です。ボランチに任せないで、自分が前に出ればアタッカーも前に押し出せるからいんだけど、わざわざボランチを下げさせて、自分も後ろに下がってしまう。映像を見ると、もっと速く動き出したいけど遅い。頭と身体のリンクさせる感覚が“気持ち悪い”んです。自分の身体がいつ動いて、移動中にどこまで動ききれるのか。そこの感覚もまだ出せてないんです」