Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

<22年目の選択>
播戸竜二「引退は、しません」

posted2019/02/10 17:00

 
<22年目の選択>播戸竜二「引退は、しません」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

PROFILE

photograph by

Nanae Suzuki

 FC琉球で改めて感じたサッカーの面白さ。“フリー”になってもその情熱が冷めることはない。

 先の見通しが立たなくても播戸竜二は明るく、エネルギッシュである。

 J3を制してJ2昇格を決めたFC琉球の精神的支柱は契約満了に伴って昨年12月に退団し、フリーランスの身となった。

「引退はしません。俺に興味を持ってくれて“一緒にやろうよ”と、熱い気持ちとビジョンがあれば、どんなカテゴリーでもお話を聞きたいなって思います。最終的には人と人のつながりやと思うんでね」

 オファーを待ちつつ、フリーランスの立場を有効活用するためにJリーグキャンプをリポートする仕事など、「伝える」ことにも積極的に取り組もうとしている。

「最初のころのJリーグって、キラキラしていたじゃないですか。だいぶ薄れてきて、何とかしたいという思いはキラキラを見てきた俺らの世代は特に強いと思うんです。もしプレーで表現できないなら、Jリーグをキラキラさせるために伝えることもやっていかないと。去年1シーズン、沖縄で過ごしてみて、最初はサッカー熱が高くないと感じた。でもいろんな人と交流を持ったらみんなサッカーを好きになって、応援してくれた。もっとJリーグを広めたい、好きになってもらいたい。そんな気持ちが強く出てくるようになったんです」

 一点を突き刺す強い眼差しは、生半可な気持ちではないことを物語っていた。

 実は一昨年のシーズン後、現役引退が播戸の頭をよぎった。

 '17年11月に最愛の母を亡くした。そのショックはあまりに大きく、ほかに何も考えられないようになっていた。

 J2降格が決まった大宮アルディージャからは契約非更新が告げられた。オファーが届いたのはJ3の琉球のみ。兵庫の実家で過ごした四十九日法要までは、頭のなかも心のなかも空っぽだった。

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
ウェブ有料会員になると続きをお読みいただけます。

播戸竜二
FC琉球

Jリーグの前後のコラム

ページトップ