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開幕2カ月、新生Vリーグの通信簿。
新規ファン獲得に必要なこととは?
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byAki Nagao
posted2019/01/09 16:30
盛況だった新生Vリーグの開幕戦。これを全国各会場に波及できるかが問われる。
既存ファンがシフトした状況。
豊田合成トレフェルサの主将、古賀幸一郎はこう問題提起した。
「Vリーグが新しくなるということを、果たして日本全国の何人が知っていたのか。今は既存のファンの人がそのままシフトしたような状況だと思うので、バレーボールと接点がない人をどう取り込んでいくか。ターゲットをちゃんと選別した上で、そこにしっかりアプローチしていかないと」
そこで大きな役割を担うべきはVリーグ機構だ。V機構も新しい取り組みをしているが、それらも既存のバレーファンに向けたものが多い印象がある。
チーム関係者からは危機感が。
新リーグがスタートしたものの、Vリーグが認知されていないことに多くのチーム関係者が危機感を抱いている。同じ時期に立ち上がった卓球のTリーグがテレビや新聞で大きく取り上げられているのとは対照的だ。
そんな中で、チーム関係者から頻繁に耳にするのはVリーグ機構への要望だ。
「V機構が『Vリーグを変えます』と決めて新リーグを立ち上げたのだから、チームに丸投げではなく、もう少し方向性を示してほしい」
「“Vリーグ”の存在自体を知らない人も多い。それを日本国中に知らせるのはV機構の役目。例えばテレビCMを流すなど、そこは大々的にやってほしい」
Vリーガーの中で特に発信力のある豊田合成のウイングスパイカー高松卓矢は、ことあるごとにVリーグをPRしながら、V機構へのもどかしさものぞかせる。
「Tリーグさんは、テレビで取り上げてもらったり、駅のホームに卓球台を置いて、そこで会社帰りのサラリーマンが卓球をしていたり、いろいろと動いていた。Tリーグという新しいプロリーグができたんだよということを、周りに何とかして伝えたいという熱意が伝わってくるんですが、Vリーグ機構さんからはその熱意が伝わってこない。
ただリーグを新しくしましたと言っても、誰もついてきません。Vリーグを盛り上げるために好き勝手にやってくれと言われても、それは違うと思うんです。どうやったらVリーグが周知されるかということを考えてやっていってもらいたいというのが僕の意見です」