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開幕2カ月、新生Vリーグの通信簿。
新規ファン獲得に必要なこととは?
posted2019/01/09 16:30
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Aki Nagao
今季新しくなったバレーボールの国内トップリーグ、V.LEAGUEが開幕して約2カ月が経ち、日本のバレーボール界の現状が浮き彫りになってきた。
“プロ化”ではないため変化がわかりにくいが、今季から変わったことの1つがホームゲームの増加だ。完全なホーム&アウェイではないが、ビジネス化の理想のもと、これまで各地のバレー協会などが行なっていた運営はホームチームに任され、収益もホームチームに入る。
ホームゲームの集客や一体感、新リーグが掲げる「地域密着」という意味で、うまく滑り出したチームの1つが男子のDivision 1(V1)に所属するパナソニックパンサーズだ。2018年12月8、9日に大阪府枚方市のパナソニックアリーナで行われたホームゲームはほぼ満員の2800人(8日)、2950人(9日)の観客を集めた。
普段練習している地元の体育館で試合を開催できるのがパナソニックの強みだ。チームは枚方市のPR大使を務めており、数年前から市内のモールでイベントを行うなど、地元の人々と触れ合う機会を増やしてきた成果が実っていると言える。
失敗してでもアイデアを。
加えて今季は新しいアイデアを次々に実行してきた。
「『変わってないやん』って言われるより、『めっちゃ失敗してるやん』って言われた方が、何かやろうとしている感がある」
そう話すのは、元リベロで、今は運営を担当している山本拓矢マネージャーだ。
観客が試合中にツイッターでその日のMVP選手を投票したり、1月5日のホームゲームは「枚方市民応援デー」と銘打って枚方市民を招待し、枚方市の他のPR大使とのコラボも企画。他にも費用を抑えつつ新しい試みを実践してきた。
「1年目からバンバンやったほうがいいと思うんです。今季はとりあえず様子を見ようとか、あのチームはこうしているからうちもこうしよう、みたいなのは嫌で。うちはうちらしくやればいいんじゃないかなと思っています」と山本マネージャーは言う。