スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
マドリーのイスコが荒れに荒れて。
グアルディオラのシティへ移籍か?
posted2018/12/26 10:30
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph by
Uniphoto press
イスコが、やさぐれている。
それは、現在レアル・マドリーが抱えている最大の問題だ。
今季、イスコはユース代表時代から厚い信頼関係を築いてきたジュレン・ロペテギの下、ポゼッションスタイルに挑むチームの中心として開幕を迎えた。
事態が急転したのは、2018年9月25日。急性虫垂炎により緊急手術を受け、1カ月の戦線離脱を強いられたことがきっかけだ。
中盤のキーマンを欠いたチームは4戦連続8時間以上も無得点が続く深刻なスランプに陥り、ロペテギは瞬く間に信頼を失っていった。
「ジュレンをクビにするのなら、自分たち全員をクビにすべきだ」
そんなイスコの訴えも虚しく、復帰後間もなくロペテギは解任。その後サンティアゴ・ソラーリが新監督に就任すると、イスコの立場は急変した。
なぜイスコは干されているのか。
監督交代後の公式戦13試合で先発したのは、2つの消化試合(国王杯のメリージャ戦、CLグループ最終節のCSKAモスクワ戦)のみ。あとは、プレー時間が30分に満たない途中出場がほとんどで、総プレー時間314分は全体の27%にも満たない。
監督交代によって選手の立場が変わるのは珍しいことではない。むしろ、ロペテギにはほとんど使われていなかったマルコス・ジョレンテやルーカス・バスケスが監督交代後に出番を増やして活躍している現状は、健全なチーム内競争を反映しているとも言える。
問題は、なぜイスコが干されているのかだ。
これまでに出ている情報は、フィジカルコンディションの低下、練習に取り組む姿勢の欠如、ソラーリへの不信感を隠そうとしない反抗的な態度など、イスコ側の非を指摘するものばかりである。