スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
マドリーのイスコが荒れに荒れて。
グアルディオラのシティへ移籍か?
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byUniphoto press
posted2018/12/26 10:30
ソラーリ体制のもとで控え続きのイスコ。1月の移籍市場で新天地を求める可能性はあるのだろうか。
ゴール裏のファンに文句。
ソラーリ就任後すぐの練習でトレーニングの仕切り方にケチをつけたとか、途中出場でピッチに入る前に監督の指示を無視したとか、試合後のロッカールームで指揮官が求めた握手を拒否したとか。
元々、我の強い選手である。とはいえ、まるで26歳にして第2次反抗期を迎えたかのような荒れっぷりだ。
ホームで0-3と惨敗したCSKA戦では、野次を発したゴール裏のファンに文句を言い、マドリディスタの支持まで著しく失っている。
試合中に熱くなった勢いでそのような振る舞いをしてしまうことは誰にでもある。より重大な過失は、その後、何の謝罪コメントも発しなかったことにある。
いったいどうしたというのか。
2013年にマドリーに加入して以降、イスコはアンチェロッティ、ベニテス、ジダンと監督が代わるなか、なかなか試合に出られない苦しい時期を何度も経験してきた。
それでも腐らず、与えられたチャンスに非凡な才能を発揮することで、遂にはアンタッチャブルな存在だったBBC(ベンゼマ、ベイル、クリスティアーノ・ロナウド)の牙城を崩し、確固たる地位を築いてきた男である。
ゆえに、今のイスコは明らかにおかしい。
シティ、バルサも探っている?
ロペテギの解任が不服だったことは分かる。それでも就任直後からそこまでソラーリに反抗的な態度を取る必要はないはずだ。
欧州各国のメディアでは、イスコの動向を巡る様々な憶測が流れ始めている。
気になるのはマンチェスター・シティの存在だ。シティはイスコがマドリーに移籍した2013年当時からオファーを続けている。何よりグアルディオラとイスコのフットボールは確実にマッチするだろう。個人的に見てみたい組み合わせでもある。
他にも、チェルシーやユベントスが早ければ1月にもイスコの獲得に動くと報じられている。実現性は低いが、バルセロナもその可能性を探っているクラブの1つだ。