【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
PayPay狂騒曲とインバウンド。
スポーツ界にも電子決済の波を!
text by
池田純Jun Ikeda
photograph byAFLO
posted2018/12/24 10:00
100億円キャンペーンによって一気に知名度の上がったPayPay。電子決済の覇権争いは過熱していきそうだ。
ビッグデータをどこが握るかの分かれ目。
もちろんそれによる問題もあります。まずはセキュリティ。PayPayでも知らないうちにカードが不正利用されていることが問題になりました。個人情報の流出も最近増えており、その辺の危険性は必ずしもなくなるわけではありません。
どの国の人が日本でスポーツを旅行プランに組み込んで、日本で何を買う人がスポーツを見に来て、そういう人は日本でどういうところに足を運んでいるのか、というビッグデータが海外の電子決済サービス会社に流れることにもなります。しかし日本国内でも早期に日本発の電子決済サービスが広まっていけば、自国内にビッグデータが集積され、それを利用したサービスなどもつくられていくでしょう。
また、インバウンドの方々が多数観戦することで、スタジアムの熱気を維持するのが難しくなる、という問題も出てくるでしょう。ひいきでもないチームを応援するということは難しく、一体感を生み出すのは難しいかもしれません。
でもスタジアムにいろんな仕掛けを用意したり、ハーフタイムのショーなどで会場を盛り上げたりもできるはずです。多くの地元ファンを築いた上であれば、インバウンドを取り込むことも利益につながるはず。
'19年のラグビーW杯、'20年の東京五輪とスポーツ好きなインバウンドがたくさん集まるイベントが待っています。せっかくのチャンスを逃さないために、電子決済はひとつのキーワードとなるのではないでしょうか。