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プロ野球は12球団のままでいいか。
「選手の雇用機会」という観点。
posted2018/12/23 08:00
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
AFLO
日本プロ野球(NPB)の球団保有を目指すと表明していたファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOの前澤友作社長が12月11日、自身のTwitterで「近々での球団保有はいったん断念することにしました」と表明した。
前澤氏の球団所有を支持していた人たちにとっては残念なことだろうが、否定的に捉えても何も始まらない。前澤氏にとっては目標達成に向けた大きな一歩をしるしたことになるし、むしろ、新進気鋭の経営者が「NPB球団を保有したい」と表明したのは野球界全体にとって、とても意味のあることだと思う。
もし理想を言うなら、自民党が提案したようにNPBチーム数を現行の12球団から16球団に拡大し、NPBに前澤氏のような人が参入しやすい状況を作ってほしいところだ。しかし、現状は球団数を拡張する機運を感じず、過剰な期待をすべきではないのだろう。
50年以上、球団数は12だった。
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NPBは1958年(昭和33年)以来、長きに渡って12球団で成り立っている。1993年と1998年に2球団ずつ、計4球団が増えて30球団となったメジャーリーグとは比較にならないぐらい小規模で行われている。
「米国と日本とは、国土の広さも人口も違うのだから当然だろう?」
このような意見も承知だが、例えば日本のプロサッカー=JリーグはJ1で18球団、J2で22球団の計40球団もある(J3は必ずしも選手全員がプロ契約でなくてもいいので、ここでは含まない)。
「NPBとJリーグでは経営規模が違うし、J2を含めるのは筋違いだろう」
それもその通りなのだが、今回の主題はそこではない。
理想論かもしれないが、我々は結局、自分の子孫を含む次の世代に何を残すのかを念頭に置いて生きている(と信じる)。そして、プロスポーツのチームに存在意義があるとすれば、子供たちに夢を与えることがその1つだ。
では、子供たちに夢を与えるとは何か?
本拠地のある地域に住む子供たちに、プロの素晴らしいプレーを見ていただいて……という曖昧なことではない。雇用機会である。