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プロ野球は12球団のままでいいか。
「選手の雇用機会」という観点。 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2018/12/23 08:00

プロ野球は12球団のままでいいか。「選手の雇用機会」という観点。<Number Web> photograph by AFLO

男子ゴルフツアーに参入して話題になった前澤社長。果たしてプロ野球参入の日は来るのか。

メジャーでは32球団構想が。

 前コミッショナーの強いリーダーシップで1993年以降、4球団の拡張に成功したメジャーリーグは今年、春先の悪天候の影響もあって観客動員数が減少した。それでも現コミッショナーが再び強いリーダーシップを発揮し、オーナーたちの協力によって将来的な32球団への拡張にも動いている。

 それはアメリカン・フットボール(NFL)やアイスホッケー(NHL)が32球団制へ拡張したこととも無関係ではない。アメリカのプロ野球は敏感に他競技の動向を気にしているのだ(注:NHLは2021年より32球団になる)。

 そんな機運を察してか、ナイキ本社のあるオレゴン州ポートランドではすでに誘致団体が発足。開閉式球場のパース画が発表され、グッズまで販売されている。

 1億ドルを超えるという球場の建設資金や周辺のインフラ整備など、「どこにも計画が遂行できる保証がないのに?」と批判されてもいるのだが、彼ら誘致団体にもメジャーリーグにも否定的な発想はない。

 もし実現しなくとも、拡張球団のマイアミ(マーリンズ)やタンパ(レイズ)が人気維持に苦戦している中で、ポートランドのように「球団所有」に名乗りを上げる自治体が登場することで救済の道ができあがっているとも言える。

 前澤氏の「球団保有はいったん断念」も、動き出した彼にとっては「最初の一歩」だ。その夢が叶う日が、NPBにとっても最良の日になればいい――。

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前澤友作

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