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最前線と2列目のオールマイティー、
北川航也が森保Jで得た発見とは。 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

PROFILE

photograph byTakuya Sugiyama

posted2018/11/20 11:00

最前線と2列目のオールマイティー、北川航也が森保Jで得た発見とは。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

今季のJリーグでは第32節終了時点で13ゴール。国内組のFWとして北川航也は実力を示したいところだ。

あそこで足が出てくるとは。

「パナマ戦で足りなかった部分が、ゴールに迫っていく姿勢だった。オン(ザボール)の部分が足りなかったと感じたし、得意の1人はがしてシュートに持っていく形を出せなかった。だから今日(ベネズエラ戦)はそういう形が出せたのかなとは思います。でも、Jリーグでやっている身体の強さ、スピード、足が出てくるタイミングとは全然違うので、自分も早くその段階にいかないと、と感じました」

 足が伸びて来るタイミング。それはまさに後半アディショナルタイムのシーンだった。

「自分の中では完璧なイメージでした。元気君からボールが来るところにしっかりと入れていたし、止めてから反転して相手のマークを外す。その流れは自分の中で“決まった!”と思ったんですが、最後に足が出てきた。

 相手の足が伸びてくるポイント、速さ、コンタクトの強さというのは、自分が想像していたものより遥か上をいっていた。だからこそ判断力やプレースピードをもっと上げないといけないと感じました。南米の選手とやる機会は日本ではなかなかないので、この経験、感覚を大事にしたいと思っているし、次につなげたいです」

2列目と1トップでどうプレー?

 海外のチームと頻繁に戦う、A代表でしか得られない感覚。それを覚えたことで「この代表でどう自分が生き残っていくか」にも考えを張り巡らせるようになった。

「9月のコスタリカ戦をテレビで観戦した時、(堂安律、南野拓実、中島翔哉の)3シャドーの前を向いた時のクオリティーと、強烈な個というものには刺激を受けました。そこは自分の足りないところでもあるし、伸ばす必要があると思っています。

 1トップに入る場合、大迫選手のように背を向けた状態でもあれだけボールをキープできれば、後ろの選手は楽だと思うし、自分の幅を広げる意味でもああいうプレーは必要だと思う。

 でも相手のラインと駆け引きすることが自分の武器だから、いかに背後にボールを出してもらって受けられるか。そこが自分の価値を高められるところだと思うし、そういう形でチームに貢献できればなと思っています」

【次ページ】 自分で仕掛けられる力を。

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北川航也
清水エスパルス

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