マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
ドラフト1位の大学生6人の共通点。
甲子園不出場の彼らがなぜ成長?
posted2018/11/12 07:00
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Hideki Sugiyama
「2018ドラフト」をにぎやかに彩ったのは、ドラフト1位の「高校生」たちだった。
根尾昂(内野手・大阪桐蔭)に4球団からの指名が重複し、球友・藤原恭大(外野手・大阪桐蔭)には3球団。さらに、小園海斗(内野手・報徳学園)にも4球団が重なったから驚いた。
人気者の吉田輝星(投手・金足農)も前評判とは異なり、入札での指名はなかったが、“繰り上げ1位”で唯一日本ハムから指名があった瞬間には、会場を埋めたファンから、今年のドラフトでMAXの歓声が巻き起こったものだ。
いずれも、押しも押されもせぬ「甲子園のスターたち」。
普段はあまり野球に関心を持たない人たちも、根尾くん、吉田輝星ぐらいは知っている。それほどの人気者にのしあがった。
大学生投手は甲子園組が0人。
その一方で、「ドラフト1位」という同様の評価を受けた大学生投手が5人。
実はこの中に、元甲子園球児は1人もおらず、いずれも全国的にはまったく無名だった投手たちが、4年という時間を隔てて、ドラフト1位に評価されるほどの「トッププレーヤー」に台頭したことは、とても興味深い。
西武1位・松本航(日本体育大)
DeNA1位・上茶谷大河(東洋大)
巨人1位・高橋優貴(八戸学院大)
ソフトバンク1位・甲斐野央(東洋大)
ヤクルト1位・清水昇(國學院大)〔指名順〕
さらにいえば、繰り上げ1位(俗にいう「外れ1位」)で4球団の指名が重なった辰己涼介外野手(兵庫・社高→立命館大)だって、高校時代の無名ぶりなら、いま名前を並べた5人の投手たちとまったく大差ない。
ならば彼らは、どうして「ドラフト1位」という評価を得られるほど成長できたのか?