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酒井宏樹を開花させた“レドミ”。
横浜FCでも光るブラジル式の思考。

posted2018/11/08 17:00

 
酒井宏樹を開花させた“レドミ”。横浜FCでも光るブラジル式の思考。<Number Web> photograph by Getty Images

レアンドロ・ドミンゲスの技術と対応力は、J1昇格を目指す横浜FCにとって何よりも心強い。

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熊崎敬

熊崎敬Takashi Kumazaki

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Getty Images

 11月4日、雨の三ツ沢で行なわれたJ2、横浜FCと大分トリニータの一戦。J1昇格を争う上位陣の直接対決を制したのは、ホームの横浜だった。

 後半に先制されながら、3点を取り返して逆転。大分を首位の座から引きずり下ろすとともに、自らは昇格プレーオフ進出はもちろん、自動昇格となる2位以上にも望みをつないだ。

 横浜FCの3ゴール、そのすべてはレアンドロ・ドミンゲスの右足から生まれた。

 67分の同点弾は、彼の放ったミドルシュートがバーを直撃、そのはね返りを永田拓也が頭で押し込んだ。73分、カルフィン・ヨンアピンの逆転弾、そして79分の田代真一のダメ押し弾は、どちらもレアンドロの左サイドのフリーキックから。

 特筆すべきは、3ゴールがいずれも異なる球種から生まれたということだ。

 1点目のミドルは横っ跳びするキーパーを巻くようなアウトサイド、2点目はキーパーと守備陣の間に落とすようなキックで、3点目はニアに走り込む田代にぴたりと合わせるストレート。

 キックの多彩さと精度の高さには舌を巻くしかない。

圧倒的な技術と視野の確保。

 レアンドロは柏レイソル在籍時の2011年、J1昇格即優勝の快挙の立役者となったが、このときチームメイトだった工藤壮人は彼のキックを次のように評した。

「彼はどんなタイミングでも、どんな角度にでもパスを出すことができるから、ストライカーは自分の好きな形で動き出せばいい。そうすると、絶妙なラストパスが出てきますから」

 つまり、どんなタイプのストライカーにも合わせられるということ。これほど頼りになる存在もいない。

 当然、敵はレアンドロを抑えることに神経を使うが、それでもなかなか抑えられない。それは圧倒的な技術に加えて、頻繁に首を振って視野を確保しているからだ。だから素早く前を向くことができるし、次のプレーの選択にも迷いがない。彼のプレーを見ていると、いつも敵の背後を突くことを最優先に考えていることがよくわかる。

【次ページ】 酒井宏樹が語っていたこと。

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