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酒井宏樹を開花させた“レドミ”。
横浜FCでも光るブラジル式の思考。 

text by

熊崎敬

熊崎敬Takashi Kumazaki

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photograph byGetty Images

posted2018/11/08 17:00

酒井宏樹を開花させた“レドミ”。横浜FCでも光るブラジル式の思考。<Number Web> photograph by Getty Images

レアンドロ・ドミンゲスの技術と対応力は、J1昇格を目指す横浜FCにとって何よりも心強い。

想定外が起きると承知の上で。

 私たち日本人は正反対だ。完璧に準備をして、入念に予行演習を行なって、ようやく店をオープンさせる。

 これはどちらが良くて、どちらが悪いというのではなく、国民性の違いといっていい。

 ただ、これをサッカーに置き換えると、ブラジル式を見習ったほうがいいかもしれない。サッカーは敵がいる、複雑で曖昧模糊としたスポーツ。計画通り、ゲームが進むとは限らないからだ。

 サッカーでは完璧に準備するのはほぼ不可能。完璧に準備したと思って試合に臨み、不測の事態に慌てふためくくらいなら、入念に準備しながら、頭の片隅に「おそらく想定外のことが起きる」と考えて本番に臨むほうがいい。

 そうしたところからサッカーに欠かせない、不測の事態への対応力が養われていくのだと思う。

 レアンドロもすでに35歳。キャリアの盛りは過ぎたが、持ち前の闘志と敵陣を切り崩すパスの鋭さは、いまなお健在。サッカーの本質である、対応力は錆びついていない。

 プレッシャーが増す最終盤に輝くのは、こういう男かもしれない。

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