ドイツサッカーの裏の裏……って表だ!BACK NUMBER
ドイツのレーブ政権がついに終焉?
後任にはジダン、クローゼの名も。
posted2018/10/20 08:00
text by
遠藤孝輔Kosuke Endo
photograph by
Uniphoto press
辞任か解任か。もはや、2つに1つの雰囲気だ。
現地時間10月16日に開催されたUEFAネーションズリーグで、ドイツが世界王者フランスに1-2の敗戦を喫すると、ヨアヒム・レーブ監督の責任を問う声がヒートアップした。大衆紙『ビルト』が「残念だ!」と見出しを打てば、週刊誌『シュテルン』のティム・シュルツェ記者は「レーブが辞任しなければならない4つの理由」と題したコラムを掲載した。
旧知のドイツ人記者も「これまでの功績を考えれば、DFB(ドイツサッカー連盟)が解任するのではなく、レーブが辞任を申し出る方がいい」と語るなど、実に12年ぶりとなる監督交代の気運が高まっている。
ワールドカップ優勝1回('14年)、3位1回('10年)、EURO準優勝1回('08年)、ベスト4が2回('12年、'16年)と輝かしい実績を収めてきたレーブは今年、2つの両極端な記録を樹立した。
1つは故ゼップ・ヘルベルガー(ドイツサッカーの偉大なる父と称される名将。'54年W杯制覇)を抜き、ドイツ代表で最も多くの試合を指揮した指揮官になったこと。その記録は現在169試合まで伸びている。
年間6敗を喫した初の監督に。
もう1つは、年間で最も多くの敗北を味わった監督になったこと。'18年のドイツ代表はここまで11試合を戦い、3勝2分6敗の成績を収めている。西ドイツ時代を含め、1年間でこれほど黒星を重ねた指揮官は存在しない。
それでもレーブ自身は再建に向け、まだ情熱を失っていないようだ。10月13日のオランダ戦で0-3の完敗を喫した際は「失点するまでは試合をコントロールできていた。ただ、自信をもたらすはずのゴールを奪えなかった」と語り、フランス戦後も「我々はパフォーマンスに失望する必要はない。世界チャンピオンと同等のレベルだった。(1点をリードした)前半に2点目を決められなかったので、良い試合が(結果として)報われなかった」と内容への手応えを口にした。
またDFBのラインハルト・グリンデル会長もフランス戦後に「この若いチームが見せたものは未来への自信になる」と前を向いている。