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10年前のドラフトから考える巨人。
逃した大田泰示は大きかったか? 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byKyodo News

posted2018/10/13 11:00

10年前のドラフトから考える巨人。逃した大田泰示は大きかったか?<Number Web> photograph by Kyodo News

大田泰示は巨人では長らく未完の大器と言われ続けていたが……。育成の難しさを象徴する選手でもある。

大器晩成型の選手だった大田。

 大田が巨人時代にうるさく指導されたのはバッティングフォームについてだという。

 原辰徳・当時巨人監督は東海大相模高校の先輩だったこともあり、厳しく指導することが愛情と考えたのだろう。それとは対照的に、日本ハムの栗山英樹監督は打つ形に口は出さず、「思い切りスイングすること」だけを指示した。大田自身の成長や年齢が異なるのでそのまま比較できないのだが、それぞれの個性によって指導の形があることを原前監督は今、思い知らされているかもしれない。

 大田は打つだけの選手ではない。巨人時代も代走、守備要員としての出場が多かった。走って守れる選手で、現在は秘められたスラッガーの素質が徐々に表面に現れ始めている段階。つまり大器晩成型の典型的な選手と言っていい。

他の選手もなかなか難しい状況で。

 この大田をはじめ、2位宮本武文(投手・倉敷高校)、3位斎藤圭祐(投手・千葉経大付高校)、4位橋本到(外野手・仙台育成高校)、5位笠原将生(投手・福岡工大城東高校)まで高校生を5人続けて指名した。

 この中で橋本だけが通算230安打を記録して、まだ現役として頑張っている。

 '14年に90安打を放ち、盗塁も2ケタの11個を記録。レギュラー奪取が近いことを予感させたが、'15~'17年は30~51安打の殻から抜け出せず、'18年は故障のため出場していない。

 5位の笠原にも少し触れると、野球賭博への関与が明らかになり'15年オフに無期失格処分を受けてしまった。'13年には4勝1敗、防御率3.33を挙げているので期待が大きかった選手だ。

 6位仲澤広基(内野手・国際武道大、楽天移籍後に退団)も14試合の出場にとどまっている。

 やはり、巨人にとっては悔いが残る年だったと言わざるを得ないだろう。

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