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ラミレス監督だから4位になれた?
DeNAが悩んだケガ人、先発、打順。 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byKyodo News

posted2018/10/15 16:30

ラミレス監督だから4位になれた?DeNAが悩んだケガ人、先発、打順。<Number Web> photograph by Kyodo News

ラミレス監督の就任3年目の今季は67勝74敗2分。3位巨人とは1.5ゲーム差だった。

ロペス、筒香、宮崎、ソト以外が。

 ロペス、筒香嘉智、宮崎敏郎、ソトを擁した打線は脅威に映ったかもしれないが、蓋を開けてみればチーム本塁打こそ181本とリーグトップではあるものの、打率.250、得点圏打率.247、572得点はいずれもリーグ最下位である。

 つまり一発に頼った“つながらない打線”と言える。また課題としていた盗塁は昨季の39個から71個と大幅に数を増やしたが、意図を感じない盗塁、また失敗も多く、とくに足のある梶谷と神里が抜けた中盤以降はほとんど機能していなかった。

 ラミレス監督は反省の弁を口にする。

「監督として投打をいかに噛み合わせるかが仕事だったが、それが上手くできなかった」

 昨シーズンは駒不足という理由もあり桑原将志と倉本寿彦を我慢して起用することで結果を出した。とくに賛否両論のあった8番ピッチャーは、9番に固定された倉本が得点圏打率リーグ2位の成績をあげポイントゲッターとなり機能していたが、今季の9番野手は日替わりとなり低調だった。

スタメンの打順が何と118パターン。

 シーズン前、ラミレス監督は充実しつつある選手層を鑑み、選手を固定せず調子がいいとおぼしき選手を起用すると宣言していた。昨年以上の成績を挙げ優勝を目指すには“変化”が必要との決断だったが、その目論見は脆くも外れてしまった。

 特筆すべきはスターティングメンバーの打順なのだが、全143試合中、なんと118パターンが試されている。ケガ人や不調の選手が続出しラミレス監督の苦労がうかがえるデータではあるが、結局のところチームの選手層はさほど厚くなっていないということなのだろう。

 青山ヘッドは自戒を込め語る。

「本来であれば長いシーズンを戦っていく中でレギュラーを固定できるようになったほうがいい。けど、それに適う選手がいなかったのも事実。監督は1勝ずつしていくために試行錯誤しメンバーを代えていくしかなかった」

【次ページ】 センターライン整備も振り出し。

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