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大谷翔平が持つ30-30の可能性。
肘の手術を前向きに考えると……。
posted2018/09/28 07:00
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Getty Images
エンゼルスの大谷翔平が、右肘の手術をすることになった。来季(2019年)は「投打二刀流」を封印することになる。
非常に残念なことだが、ネガティブに捉えても仕方のないことなので、こう考えたい。
「これでいよいよ、『打者・大谷』の真の実力を知ることができる」と。
花巻東高校から北海道日本ハムに入団して以来、彼はずっと「投打二刀流」を貫いてきた。だから、日本でもアメリカでも、誰ひとりとして、大谷が打者に専念したらどんな成績を残すのかを知らない。そして、来季はその答えを出す絶好のチャンスだ。
言わば「シン・ゴジラ」ならぬ、「シン・オオタニ」。もしくは「シン・ショーヘイ」。
ふざけているわけではない。「打者・大谷」が1年間フル出場したら、どんな成績を残すのか? というのは誰にとっても興味津々だ。
希望的観測で話を進めると、本塁打については以前のコラムで「打者としてフル出場していたら37本塁打以上を打つ勘定になる」と書いた。当時は大谷がチームの今季132試合、258打席目で15号本塁打を放った時の計算(258打席÷15本塁打=17.2(小数点2位以下は切り捨て。以下同様)だった。
計算上は、本塁打王に手が届く圏内。
大谷は9月24日現在(以下同様)、347打席で21本塁打を記録している。
同じ単純計算で16.5打席に1本の本塁打(347打席÷21本塁打=16.5)を打ってることになるので、その量産ペースはほぼ変わりない。
指名打者をシェアしている未来の殿堂入り選手アルバート・プホルスの存在、すなわち左投手で打席に立つ機会が少ないという事実をまったく無視すれば、やはり、以前のコラムで想像した通り、フル出場した「打者・大谷」は年間150試合以上に出場して、650回以上は打席に立つ勘定になるので、650打席÷今季の本塁打ペース16.5=39本塁打という計算になる。
ア・リーグの本塁打王は、2008年から2017年までの10年間の平均で45.6本塁打であり、今の大谷は本塁打王になれる圏内に手が届いている。
2008年にはタイガースのミゲール・カブレラ一塁手が37本塁打でア・リーグの本塁打王になってるぐらいだから、史上初の日本人本塁打王が誕生する可能性もある。今年のナ・リーグの本塁打王争いをリードしているのは、36本塁打のマット・カーペンターだ。