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大谷翔平が持つ30-30の可能性。
肘の手術を前向きに考えると……。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byGetty Images
posted2018/09/28 07:00
実は日本でも盗塁は見せていたが、メジャーで才能を一気に開花させた。大谷翔平の引き出しにはほかに何が眠っているのだろう。
実は盗塁の数字もすごいことになっている。
それを過大な期待というのならその通り。長いシーズン、スランプもあれば、怪我もあるし、そう簡単に仮想することはナンセンスだと思う。だが、すでに日米のメディアやファンや球団関係者は、大谷に驚かされてきたのだ。
前人未到の「投打二刀流」を貫いてきたことで、様々な想像が膨らむのがショーヘイ・オオタニという名のメジャーリーガーである。
たとえば盗塁。
大谷は9月10日のレンジャーズ戦で今季9個目の盗塁を決め、投手としての史上最多の10盗塁に王手をかけた。それはそれで素晴らしいことだし、そういう古の選手の記録が再発掘されることも大歓迎なのだが、もっと興味をそそられるのは「野手、もしくは指名打者としてフル出場したならシーズンで何盗塁できるのだろう?」ということだ。
今季の大谷は盗塁を13回試みて(=盗塁機会)9回成功している。
当たり前の話だが、盗塁機会は出塁しなければ生まれない。
大谷の出塁の内訳は86安打+37四球+2敬遠四球+2死球+1(相手の)失策=128となっている。本塁打では盗塁するのは不可能なので、128から21本塁打をマイナスすれば107となる(三塁打からのホームスチールも非常に難しいが、可能性としては0%ではないので除外していない)。
ペース的には20盗塁に迫ることに。
違う言い方をすれば、大谷は今季ここまで107回の出塁で9回の盗塁に成功していることになる。107出塁÷9=11.8出塁に1盗塁のペースだ。
前出のようにフル出場した「打者・大谷」が150試合、650打席以上を記録したとすると、200.2回出塁する計算になる。
200.2出塁÷今季の盗塁ペース11.8=「打者・大谷」フル出場なら16.9盗塁する計算だ。
仮想「打者・大谷」は打率.280、39本塁打、17盗塁することになるが、来季中は「投手・大谷」の心配はしなくていい。つまり、今季よりも積極的に盗塁を狙ってもいい状況が生まれる。