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DeNAの不振は“エース”の不在。
石田、今永、濵口トリオは甦るか。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKyodo News
posted2018/08/18 11:00
昨年は石田が6勝、今永が11勝、濵口が10勝を挙げてポストシーズンでも好投した。
新人の東が連敗ストッパーなようでは。
だが現実は惨憺たるものだった。
期待の左腕トリオは一向に調子が上がらず、または上がってもそれを維持することができず、ここまで(以下データは8月16日現在)規定投球回数に届かぬまま石田は2勝7敗、防御率5.63、今永は3勝6敗、防御率6.56、濵口は1勝4敗、防御率4.45といった昨年からすれば考えられない結果に甘んじている。
さらにウィーランドの不調がつづいたこともあり、経験の少ない京山将弥、飯塚悟史、平良拳太郎らの先発機会が必然的に増え、ローテーションの編成は混迷を極めている。ただひとり気を吐いているのが新人左腕の東克樹(7勝5敗、防御率2.82)だが、ルーキーに連敗ストッパーを担わせるようではチームとして問題があることは間違いない。
シーズンが進むにつれ、開幕前に聞いた齊藤氏の言葉が心の中でズシリと重みを増していく……。
ボールの質自体は昨年と変わらない。
一体、何が問題なのか?
もちろんそれが明確にわかっていれば対処もできるはずだが、そう単純なものではない。篠原貴行ピッチングコーチは苦しさを漂わせながら原因を探る。
「全体的に先発陣が早い時点で失点してしまい、試合を作れない状態がつづいている」
DeNAはここまで、先制点を許すと16勝40敗1分と大きく負け越している。また打線が先制点を奪っても、先発がすぐにその貯金を吐き出してしまうことも少なくない。
「ただ、どの選手も昨年に比べて極端にボールの質が落ちているわけではない。本人たちはゲームを作らなければいけないという気持ちが強く空回りしてしまっている状態。
ボールは悪くないので、カウントの把握や周りの状況などを、もう少し余裕をもって見てくれればなと。いかにゲームの中の"小さな感覚"を修正できるかが大切だと思います」
篠原コーチは選手たちを擁護する。