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DeNAの不振は“エース”の不在。
石田、今永、濵口トリオは甦るか。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKyodo News
posted2018/08/18 11:00
昨年は石田が6勝、今永が11勝、濵口が10勝を挙げてポストシーズンでも好投した。
「今年もやってくれる期待はありました」
小さな感覚――相手チームの研究が進む中、今永が初夏に語っていた次の言葉が、今季の不振を象徴しているように感じられる。
「肩の調子も悪くないし、フォームにも不安はない。それで抑えられないのが自分としては歯がゆい。調子が悪く打たれるのであれば、改善点を見つけ次はこうしようと納得できる部分がある。しかし、それがどこなのかわからないというレベルの低いところでもがいてしまっている……」
ラミレス監督の右腕である青山道雄ヘッドコーチは、シーズン前には予期していなかった現状を次のように語る。
「毎年いろんなことが起こるし、計算できないのは当たり前なのですが、昨年頑張ってくれた先発がまた今年もやってくれるだろうという期待はありました。
先発が試合を作ってくれないと、野手は勝負に挑むことができない。左の先発は取り戻そうとしているけど、まだ自分のピッチングができていない。若い選手だけにしょうがない部分はあるのですが……」
3年連続Aクラスの望みは消さない。
では先発陣にリーダーがいないことについてはどうだろうか。
「引っ張る選手がいないのは事実です。本来であれば石田あたりがそれを担わなければいけなかったのですが、上手くかみ合っていないのが現状ですね」
“芯”のない先発陣。それでも戦いはつづく。言うまでもなく青山ヘッドは諦めず戦う姿勢を示す。
「不振の原因はひとつではないということ。故障や疲労、キャンプでの取り組みなど精査する必要はあると思います。けどシーズンはまだ終わりじゃない。Aクラスはまだ射程圏内ですからチーム一丸となって戦っていくしかない」
残り約40試合。ここまでチームを最前線で支えてきてくれたリリーフ陣の疲労の色も濃くなってきている。左腕トリオに残された登板機会は少ないが、3年連続Aクラス進出、そしてポストシーズンを戦うには彼らの力が必要なことは間違いない。DeNAの命運は、彼らにかかっている。