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アメリカはスポーツ殿堂の宝庫。
テニス殿堂に錦織、国枝は入れる? 

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吉谷剛

吉谷剛Tsuyoshi Yoshitani

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photograph byGetty Images

posted2018/06/27 17:00

アメリカはスポーツ殿堂の宝庫。テニス殿堂に錦織、国枝は入れる?<Number Web> photograph by Getty Images

昨年殿堂入りしたキム・クライシュテルスとアンディ・ロディック。日本人選手初の殿堂入りは誰が成し遂げるか。

錦織の殿堂入りには四大大会勝利が必要?

 7月2日開幕のウィンブルドン選手権の後、短い芝の季節の終わりを告げるホールオブフェーム選手権(ATP250)が殿堂の敷地内のコートで開催される。大会中には殿堂入りのセレモニーが行われ、今年は1991年ウィンブルドン男子シングルス覇者のミハエル・シュティヒ(ドイツ)と女子ダブルスで生涯グランドスラムを達成したヘレナ・スコバ(チェコ)が表彰される。

 残念ながら、日本人で殿堂入りした選手や関係者はまだいない。テニスの発展に貢献した功労賞では、日本テニス協会の盛田正明名誉会長と同協会の副会長だった川廷栄一氏(故人)の2人が受賞している。

 最近殿堂入りした選手を見ると、四大大会でのタイトル獲得は必須といった感じだ。錦織圭が2014年に全米オープンで準優勝した翌年に、殿堂のトッド・マーティン最高経営責任者(CEO)に将来の殿堂入りの可能性を尋ねると「圭はこの1年間で大きな衝撃を与えた。四大大会優勝などコーチのマイケル・チャン氏が見せたような活躍を果たせば、十分に可能性はある」との返答だった。

 アジア男子初の四大大会優勝という、歴史に名を残す実績が必要というメッセージと受け止めた。

実績で群を抜く国枝慎吾も十分に資格がある。

 日本人でもう1人、将来の殿堂入りの可能性があるのは、車いすテニスの国枝慎吾選手だ。博物館の車いすテニスの展示では、国枝選手の写真パネルを背景に最新の車いすが陳列されていた。

 既に2010年には同競技の創設者とも言えるブラッド・パークスさんが殿堂入りを果たしている。競技者として群を抜く実績を誇る国枝選手もその仲間入りを果たす資格は十分にある。

 殿堂入りの選考はこれまで有識者や殿堂入り受賞者、メディア関係者によって行われていたが、2019年からはファン投票も実施されることになったという。実績や貢献度だけでなくファンの声も反映される形になり、アジアを代表する錦織と国枝にもその可能性は広がりそうだ。

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