サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
原口元気は欲求と折り合いをつける。
セネガル戦、勝利と攻撃と対応力を。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGetty Images
posted2018/06/23 17:00
ドリブラーのイメージが強かった原口元気だが、今や日本随一のハードワーカーとしてチームを支えている。
チームとしての対応力は上がっている。
だからこそ、フレキシブルに対応していく力が必要だと原口は力説する。その対応力は、西野ジャパンがコミュニケーションを重視し、意見や考え方の共有を図ってきた中で急激に成長してきた力でもある。
「もちろん戦い方のベースを作りながらやってきたし、そのベースがある中で、守備の位置の統一や、攻撃のアイディアとかもどんどん増えてきてます。
チームとしての能力、個人個人がどうこうじゃない。本当にチームとして“じゃあ、こういう時はどうするんだ”っていう対応力は上がっていると思うので、それを試合では見せられたら良いかなと」
3つの親善試合からコロンビア戦までの流れからは、言葉による意思疎通がどれだけ重要なのかを知らされた。曖昧さをなくし、細部まで理解しあったうえでこそ、選択肢が生まれ、対応力につながる。
チームスポーツにおける密なコミュニケーションの必要性が、そのまま結果に結びついた形だ。
何よりも、2勝して1次リーグ突破を。
とはいえ、だ。原口に個人としての欲求もないわけではない。コロンビア戦では自分自身がチャンスに絡むことよりも、特に後半は味方の攻撃チャンスをお膳立てする側にまわった。それだけでは少し物足りない気持ちも残る。
「人間、欲が出るというか、攻撃でも何かをやりたいという部分はやっぱりある。(コロンビア戦は)勝ちました。でも、攻撃で違いを作れたかなと言ったらなかったし。
もちろん勝つのが一番だけど、そういう部分(得点に絡むこと)でもチームを助けられたら良いなとは思ってるので。
勝てるんだったらそれでも良いかもしれないけれど、ただ“チームのために走りました”じゃなくて、攻撃で違いを作ることで、チームを助けられるということはわかっている。まあ、もっとチャレンジして、次の試合はいけたら良いかなと」
そうはいってもセネガル戦で目指すべきことは1つだ。
「現実的なことしか考えてないです。自分の理想なんかでは勝てないので。勝つことだけです。2勝して1次リーグを突破することだけを考えてます」
原口自身が攻撃的なプレーを選択できるかどうかも、試合の中の対応力にかかっている。納得のいくプレーを選択した上で勝利を得られるか。
第2戦は目前に迫ってきた。