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コロンビア戦の感動をどう伝えるか。
フジアナウンサー、もう1つの戦い。
posted2018/06/23 08:00
text by
鈴木唯(フジテレビアナウンサー)Yui Suzuki
photograph by
Yui Suzuki
日本代表がコロンビアに劇的勝利を収め、日本中が歓喜に沸いた6月19日、私たちフジテレビクルーにももう1つの戦いがありました。
私はW杯期間中、夜のニュース番組『FNNプライムニュースα』『S-PARK』、そして『ワールドカップ試合中継』での、ロシアからの現地中継を担当しています。基本的には毎日、日本代表の練習や試合を取材し、その最新情報を伝える役割です。
私が担当する3番組はちょうど試合や練習が終わったタイミングで放送されることが多いため、どの番組よりも“獲れたてホヤホヤ”の情報を伝えることができます。
コロンビア戦当日の『プライムニュースα』も、試合直後のオンエアでした。そんな絶好のタイミングで行われる中継で、現場の熱や盛り上がりをどれだけ臨場感を持って伝えられるかが私たちに託された使命です。
日本代表の熱い戦いの裏で、私たちがロシアから日本へ、いかに現場の熱を届けようと奮闘していたか、その様子をご紹介したいと思います。
途中からは中継のことを忘れかけて……。
中継まで6時間。日本対コロンビア戦が行われるモルドヴィア・アリーナのメディアセンターに向かいます。ここは世界中のテレビクルーや新聞、雑誌の記者が集まるメディア専用の建物です。ここで私は一緒に中継に出演してくださる元日本代表・鈴木隆行さん、ディレクターと共に軽く打ち合わせをします。
想定の台本はあるのですが、この時点で試合結果がどうなるかなど到底わかりません。勝てば勝因を、負けてしまったら敗因を鈴木さんに解説していただき、次のセネガル戦に向けてのお話をいただくという中継のおおよその流れだけを決めて、試合の行方を見守ります。
中継まで3時間。いよいよ試合が始まりました。私たちはメディア専用の席で試合を観戦します。
「このまま日本が勝てば香川真司選手の話を軸に進めようか」
開始わずか6分で日本が先制した時は、鈴木さんやディレクターと、こんな相談をしながら観戦していました。
ところが、前半39分にコロンビアの同点ゴール。ここからは、中継のことを忘れかけるくらい必死に応援したり、大迫勇也選手が決勝ゴールを決めたときに思わず立ち上がって叫んでしまったりしたことは秘密です(笑)。