月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
日大タックル問題は現場記者に注目。
元選手、逆ギレ司会、そしてハンセン!
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byKyodo News
posted2018/06/01 17:00
アメリカンフットボールの大学日本一を決める2017年の甲子園ボウルで、母校を27年ぶりの頂点に導いていた内田正人日大監督。
「謝罪」も「質問」もセレモニーに過ぎなかった!?
つまり、「謝罪」もセレモニーなら「質問」もセレモニーなのである。
凡庸と凡庸の激突。
そこから生まれるものなんてあるわけない。
こんな茶番が続くと専門の記者やジャーナリストの質問はどんどん少なくなってしまう。視聴者から見ても面白いわけがない。最近の会見で感じるモヤモヤの理由を教えてくれた良いコラムだった。
ちなみにこの報知のコラムはWEB限定だ。ページには《最前線で取材する記者が、紙面では書き切れなかった裏話や、今話題となっている旬な出来事を深く掘り下げてお届けします。皆さんを「ほーっ!」とうならせるようなコラムを目指して》と書いてある。
ネットで論議を呼びそうな内容のコラムを持ってきて一石を投じたいのだろう。スポーツ新聞の読者層だけでなく、幅広い層に読んでもらおうという狙いは野心的でいい。
東スポらしい日大タックル問題への切り口。
さてここまではコラムを紹介してきた。いわば「切り口」を堪能してきた。
次はコラムではないが、その新聞に求められていることをきちんとしているなぁ、いい切り口だなぁと思った東スポの記事だ。
「不沈艦ハンセン氏が語った悪質タックル問題。元NFL選手として日大に警告」(5月23日付)
あ、ハンセンですよっ! 思わず声をあげそうになった。
東スポと言えばプロレスが十八番だ。そんな自負もあってか、プロレス転向前はNFL選手でもあったスタン・ハンセン氏に「日大タックル」を聞いているのだ。社風というか芸風がブレていなくて素晴らしい。
ハンセン氏の言葉もいい。
「何てプレーだ。動画を何回も見直したよ。私も危ない場面は何度も経験したが、明らかに意図的なクリッピング(背後からの危険なブロック)でしかない。これは本当に危険なプレーだね……」