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西野朗監督の持ってる&モテる伝説。
新卒時代は女性採用担当も経験した。
posted2018/05/30 11:30
text by
木本新也Shinya Kimoto
photograph by
Takuya Sugiyama
“持っている”か“持っていない”か。戦術や采配、人心掌握術と同等に、監督として成功するために重要な要素となる。とりわけ、短期決戦で格上揃いのW杯でグループリーグを突破するためには運を味方につけることが不可欠だ。
4月に就任した日本代表の西野朗監督は、J1歴代最多270勝を誇り、ガンバ大阪を率いた2008年にACLを制覇するなど数々のタイトルを獲得してきた。1996年アトランタ五輪では1次リーグ初戦でブラジルを破る“マイアミの奇跡”を演出。日本のシュート数はセレソンの28本に対して、わずかに4本だった。
GKとDFが激突する、信じられないような相手の連係ミスからの決勝弾で金星を手にしており、日本屈指の“持っている”指揮官といえる。
間接FKでゴール、女性ファンわんさか。
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浦和西高時代から持っていた。3年時の高校選手権埼玉県大会準決勝・浦和南戦。西野氏は敵陣深くで得た間接FKのチャンスで、なぜか直接ゴールを狙い、ネットを揺らした。
同期で主将を務めた黛俊行氏(現日本サッカー協会審判部)は「おそらく間接FKと知らずに蹴ったのだと思います」と回想。誰もボールタッチしなければゴールは認められないが、意表を突かれた相手GKが手を伸ばしてボールに触れたため得点が生まれた。
関東大会決勝・韮崎戦では西野氏とは別の中盤の選手がヘディングで決勝弾を決めたが、翌日の地元紙に躍った見出しは「西野 値千金の決勝ゴール」。まさかの誤報だったが、チームメートは「西野のおかげで勝ってきたから仕方ない」と納得したという。
持っているだけではなく、モテる。早大時代には西野氏を目当てに西が丘サッカー場に女性ファンが殺到。ケガで途中交代を強いられると、多くの女性が会場を後にして、スタンドは一瞬にして閑古鳥が鳴く状態に陥ったという。