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アーモンドアイの一強とは限らない。
オークスに甦る「名牝時代」の記憶。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2018/05/19 08:00

アーモンドアイの一強とは限らない。オークスに甦る「名牝時代」の記憶。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

圧倒的な評価とともにオークスに挑むアーモンドアイ。三冠も視野に入っているが、まずはここを勝つことだ。

ラッキーライラックも「本物」の可能性。

 一方のラッキーライラック(父オルフェーヴル、栗東・松永幹夫厩舎)は、松永調教師が「やっと1600m以上の距離を使える、という感じです」と話しているように、陣営はオークスでの逆転に大きな期待を抱きつつ、ひそかな自信を覗かせている。

「スピードもあるけど、すごくスタミナがある。走るフォームが綺麗でストライドが大きいので、距離は絶対に長いほうがいいと思います」

 その適性がさらに生きるよう、普段から馬の後ろで我慢させる調教を繰り返し、コントロール性を高めている。

 この馬が勝った阪神ジュベナイルフィリーズの1、2、3着馬が、チューリップ賞で1、3、2着となり、桜花賞では2、3、5着となった。このように、大舞台で特定の数頭が繰り返し上位を占めるとき、それらの強さは「本物」であることが多い。

 2016年牡馬クラシックのマカヒキ、サトノダイヤモンド、ディーマジェスティ、エアスピネルもそうだった。

 本物の強さを持った2歳女王が、初めて適距離の舞台に立つのだ。アーモンドアイの一強と断じるのはまだ早い。

牝馬の二強と言えばあの2頭。

 牝馬戦線の二強として思い出されるのは、2007年に牝馬として64年ぶりにダービーを勝ったウオッカと、同年の桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯を勝ったダイワスカーレットだ。

 2頭が初めて対決したのは3月3日のチューリップ賞だった。前年、阪神ジュベナイルフィリーズをレースレコードで勝ったウオッカは、2月のエルフィンステークスを他馬より2kg重い56kgで圧勝していた。単勝1.4倍の圧倒的1番人気。

 ダイワスカーレットは前年、新馬、中京2歳ステークスを連勝。年明け初戦のシンザン記念では、中京2歳ステークスで2着に下した牡馬アドマイヤオーラから1馬身半差の2着に敗れていた。単勝2.8倍の2番人気。

【次ページ】 ウオッカの楽勝で格付けは終わったかに見えたが。

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