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「日本にハイプレスは不向き」か?
千葉&徳島スタッフの言葉から探る。
posted2018/05/10 10:30
![「日本にハイプレスは不向き」か?千葉&徳島スタッフの言葉から探る。<Number Web> photograph by J.LEAGUE](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/9/2/1500wm/img_9282d7a01990aa9c6d6557532efe3cce326205.jpg)
個性的なスタイルは反発も受けがちだが、千葉と徳島のサッカーはたしかに魅力的なのだ。
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![渡辺功](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
渡辺功Isao Watanabe
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J.LEAGUE
Jリーグ序盤戦のトピックのひとつに、アンジェ・ポステコグルー新監督率いる横浜F・マリノスの「ハイプレス・ハイライン」がある。
マリノス従来のイメージを覆すような取り組みは注目を集め、高いラインの後方に広がる大きなスペースを守る飯倉大樹のGK離れした走行距離が、スポーツニュースで取り上げられもした。
ただ「接近・展開・連続」をうち出した第2次岡田武史監督の日本代表の頃もそうだったが、前から相手ボールを奪いに行くサッカーについては、結果が出なくなるとすぐに、否定的な意見が付いてまわるのが常だ。
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「高温多湿の日本に、プレッシングサッカーは向いていない」
「1試合プレスを掛け続けることは、日本人には難しい」
こうした“定説”をモノともせずに、果敢なチャレンジをしているチームが、J2にはいくつかある。そのひとつがジェフ千葉だ。
「この戦い方は我々のアイデンティティ」
ラインは高く、フィールドプレイヤー10人全員が敵陣に攻め入り、52.5m×68mの自陣ピッチすべてを、GKの佐藤優也がひとりで守っている時間も少なくなかった。
昨シーズンは昇格プレーオフ準決勝で敗退。今シーズンも開幕から黒星が先行、特にアウェイ5連敗を喫したことで、このスタイルがもたらすリスクのほうを危惧する声も聞こえてくる。
だが、「この戦い方は、せっかく去年勝ち獲った我々のアイデンティティ。それをホームゲームで見せないという選択はない」と、フアン・エスナイデル監督はその姿勢を崩さない。
今月3日の2位ファジアーノ岡山との試合では、1-0の千葉リードで迎えたアディショナル・タイム、相手GKの足元にあるボールめがけて根こそぎ刈り獲らんばかりに、3人掛かりで敵のペナルティエリアへ猛烈なプレスに行く場面があった。