話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
「最近、ゴリゴリ系意識して(笑)」
遠藤航がボランチで見せる新境地。
posted2018/05/08 11:30
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Getty Images
浦和レッズにとって、極めて重要な勝利だった。
オズワルド・オリベイラ新監督に就任して3試合目。柏レイソル戦、湘南ベルマーレ戦に連敗し、3連敗となると監督もやりづらくなるだろうし、選手も「大丈夫か」と疑念を持つことになる。そうなる前に、5月2日の強敵・川崎フロンターレ戦で勝てたことはオリベイラ監督にとっても、チームにとっても自信となる1勝だった。
連動した攻撃を仕掛ける川崎相手に無失点で切り抜けたのが最大の勝因だが、最終ラインに入った遠藤航いわく、川崎対策を「守備陣を中心によく話し合っていた」という。その遠藤の守備も実によく効いていた。
「監督から(中村)憲剛さんとかに対して、どう守るのかっていう話はありました。ただ僕らは前から川崎とやっていることもあって、戦い方は分かっていた。相手はボールを動かせる上手さがある。だから自分たちが引いてしまうと相手に自由にボールを動かされてしまう。自由にさせないためには、厳しくいこうという話をしていました」
川崎の攻撃を防ぐためマンツー気味に。
具体的には、川崎のサイドハーフがボールを受けに落ちてくる瞬間、自由を与えないように心掛けたのだという。
「僕と槙野(智章)君のところはサイドハーフの家長(昭博)選手、阿部(浩之)選手が落ちてきたところに、どれだけ強くいけるかというのを意識していた。憲剛さんには青木(拓矢)くん、(大島)僚太とネットのところには誰が行くのかとかチームとして意識していた」
遠藤の予想通り阿部や家長がボールを受けにきたし、大島とエドゥアルド・ネットについても2シャドーの長澤和輝や柏木陽介がケアをしていた。
「(川崎が)足元でボールを受けたがるので、自分たちは最終ラインをそろえるというより、マンツーマンのような感じで厳しくいった。(ボランチの)青木君よりも前のポジションになることもあったけど、かなりしつこく厳しくいったのを相手は嫌がっていた」
小林悠は「かなり前から来ていたのは分かっていたが、自分たちの動きが足りなかった」と語ったように、川崎の攻撃を押し留めることができたのは浦和の対人への厳しい対応と川崎の選手たちの疲れが重なったのが大きい。