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「日本にハイプレスは不向き」か?
千葉&徳島スタッフの言葉から探る。 

text by

渡辺功

渡辺功Isao Watanabe

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photograph byJ.LEAGUE

posted2018/05/10 10:30

「日本にハイプレスは不向き」か?千葉&徳島スタッフの言葉から探る。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

個性的なスタイルは反発も受けがちだが、千葉と徳島のサッカーはたしかに魅力的なのだ。

プレッシングとは技術である。

 練習内容はかなりハードだが、選手を100%のコンディションでピッチに立たせることを重要視して、ほとんど負荷をかけずに終わる日もある。夏場の暑い盛りなどには、急遽夜6時からの練習スタートに変更することもあったそうだ。

 スタッフとの会話のなかではコンディションの話題が出ることもあるが、選手の前でそれを理由にすることは一切なく、夏場だろうと連戦だろうと、前から行くことを徹底している。

「もちろん元気いっぱいのときと連戦の3試合目のとき、もしくは前半の最初と後半の最後とでは、おのずとできることは変わるけど、(疲れた状態で)どのくらいのプレーになるのかは予想の範疇にあることだし、条件は相手も同じなんだから。それでやり方を変えることはない。90分持たない、夏場はできないって考え方を、監督は最初からしていない」

 良いポジション、プレッシャーに行くときの形、奪ったときの正確性。いずれも技術に関する話である。

 最近よくインテンシティの不足や、デュエルの弱さといったことが指摘されるが、私たちはそれをフィジカルの問題だとばかり捉えてはいないだろうか。

「日本人に前からプレスに行くサッカーは難しい」との意見は、ある意味で正しいのかもしれない。

 だが、それが体力や筋肉量に拠るものなのか。それともプレッシングという技術を正しく理解していないからなのか。そこには一考の余地がありそうだ。

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