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'18年ドラフトは東都ブーム到来か!
速球派揃い、注目は東洋大3人衆。
posted2018/04/23 07:00
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
Kyodo News
東都大学リーグは長年、大学野球の頂点に君臨してきた。ドラフトで見ても2004年以降の14年間で1位指名、自由枠、希望枠とトップで指名された大学生、社会人経由の選手は27人を数える。
選手名を見ても松田宣浩('05年亜大→ソフトバンク)、大野奨太('08年東洋大→日本ハム→中日)、長野久義(日大卒/'09年Honda→巨人)、澤村拓一('10年中大→巨人)、十亀剣(日大卒/'11年JR東日本→西武)、東浜巨('12年亜大→ソフトバンク)、山崎康晃('14年亜大→DeNA)、今永昇太('15年駒大→DeNA)、吉田正尚('15年青学大→オリックス)など錚々たるメンバーが顔をつらねている。
トップ指名以外でもこの14年間、武田勝(日本ハム、引退)、美馬学、嶋基宏(以上楽天)、長谷川勇也(ソフトバンク)、清田育宏、鈴木大地(以上ロッテ)、大島洋平(中日)、増井浩俊(日本ハム→オリックス)、薮田和樹(広島)が戦力になった。
'16年は1位指名こそなかったが、2位指名の黒木優太(オリックス)と京田陽太(中日)が1年目から主力となり、京田は新人王を受賞している。
そして今年のドラフトでも、東都勢が猛威を振るいそうなのだ。
東洋大に3人の速球派ドラフト候補が。
逸材が多く集まるのが昨秋の優勝校、東洋大だ。春季リーグ戦の開幕試合、中大戦に先発した上茶谷大河(かみちゃたに・たいが)は、150km超の速球を持ちながら、3年まで6試合に登板しただけで勝ち星はなく、通算防御率も5.79。しかしこの日は最速148kmのストレートにスライダーとスプリットを交え、中央大を被安打6、16奪三振の快投で完封勝ちしたのだ。
すでに評判が高い梅津晃大と甲斐野央(かいの・ひろし)は翌日の同カードに登板。梅津が153km、甲斐野が151kmを計測し、梅津は縦変化のスライダー、甲斐野はスプリットを交えて計3失点に抑えた。試合こそ1-3で敗れたものの、スカウト陣は「ドラフト上位確実」と太鼓判を押した。
3人を見た印象では梅津が1位、甲斐野が1~2位、上茶谷が1~3位くらいで指名されるのではないか。もちろん、3人が1位指名されても不思議ではない。