バスケットボールPRESSBACK NUMBER
バスケ日本代表がW杯予選で4連敗。
「判断の連続」の能力をどう上げる?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byNanae Suzuki
posted2018/03/05 11:30
2月22日のチャイニーズタイペイ戦では8本の3Pを含む26得点をあげた辻。残り2秒で3Pを決めるもあと一歩届かなかった。
明暗を分けたフリースローの判断。
ラマスが来てから、日本は中長期的な強化に目が向きすぎている。大事なのは、目の前の試合に、そのときいるメンバーでどうやったら勝てるのかを考えることだ。そんな日本の課題はどこにあるのか。
その1つが判断力を養うことだ。
チャイニーズタイペイ戦の残り8.3秒のシーン。篠山がファウルを受けて、フリースローを得た。
この時点でスコアは66-69。1本目を外したあと、篠山は2本目をあえて外すことにした。そのリバウンドをとって、さらに2点、あるいは3点をとるチャンスを探るためだ。
しかし結局、リバウンドは相手に奪われてしまった。すかさず日本のアイラ・ブラウンがファウルをおかして、相手のフリースロー。1本目は外したものの、2本目が決まり、66-70、日本ボールで試合は再開した。
残り6秒だ。そして、残り2.1秒の時点で辻が3Pを決めて、69-70。最後は相手がそのボールを守りきり、試合は終わった。
結果論にはなるものの、残り8.3秒の時点で2本目のフリースローを決めて、相手ボールで試合が再開したところでファウルをおかしていたら……。同点で延長戦に進んだ可能性もあった。国際試合という独特の緊迫感のなかでは、1つの判断が試合の結果をわける。
「バスケットは判断の連続」
思い出されるのは、2016年7月のリオオリンピックの最終予選でのこと。セルビアで行われた予選で、ラトビア、チェコにやぶれたあとに、当時HCだった長谷川健志はこう話していた。
「バスケットはすべてにおいて、判断の連続のスポーツだと思うんです。状況がめまぐるしくかわるので、他のスポーツとは絶対に違うんですよね。
1つの事に集中すればいいスポーツがけっこう多いじゃないですか? でも、バスケットボールでは5人がいて、相手も5人いて、それで状況がかわって、細かく時間の制限もあって、ファウルの数にも制限があって、と。判断材料がたくさんあるんですよ。
そのなかで一番良いチョイスをひとりひとりがやっていかないといけない。そういうことに対して慣れないとダメだと思います」