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バスケ日本代表がW杯予選で4連敗。
「判断の連続」の能力をどう上げる?

posted2018/03/05 11:30

 
バスケ日本代表がW杯予選で4連敗。「判断の連続」の能力をどう上げる?<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

2月22日のチャイニーズタイペイ戦では8本の3Pを含む26得点をあげた辻。残り2秒で3Pを決めるもあと一歩届かなかった。

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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Nanae Suzuki

 甘い言葉も、希望の言葉もいらない。

 考えなければならないのは、この現実をどう変えていくのかだ。他力本願ではなく、あの試合を戦ったメンバーでどうしたら勝つことができるのかを考えることだ。

 日本はまたしても、あと一歩のところで勝てなかった。

 2月22日、FIBAバスケットボールワールドカップ2019 アジア地区1次予選(window2)が行われ、FIBAランキング52位の日本は、ランキングでは57位と下のチャイニーズタイペイに、ホームゲームにもかかわらず1点差で敗れた。スコアは69-70。

 ディフェンスは良かったが、オフェンスが上手くはまらなかった。川崎ブレイブサンダースの辻直人が成功率61.5%という高確率で8本もの3Pシュートを成功させていたにもかかわらず、69得点という数字は目を覆いたくなるものだ。辻はラマスヘッドコーチ(HC)体制下では候補になりながらも、8月のアジアカップでも11月の予選でも、メンバーからは外れていた。

「これが代表の最後のチャンスで、このチャンスを絶対にものにしてやろうと思った」

 そう語った辻の奮闘は素晴らしいものだが、これまでの実戦でチームとして築き上げてきた形のオフェンスは、ほとんど機能しなかったことになる。

攻撃が行き詰った時に引き出しがない。

 この試合にポイントガード(PG)として先発した篠山竜青は、次のように振り返っている。

「ミドルレンジとか外角のシュート、ノーマークは作れていたと思います。そのシュートが、出だしはなかなか入らなかった。そういう展開もやっぱりあると思うんですよね。そういうときに、気持ちを切り替えてディフェンスのインテンシティーからリズムを変える部分が徹底できなかった、チーム全体として。そういう部分は反省点としてあります。

 そういうときこそ、PGがもう少し打開する引き出しを持たないといけないのですが……」

【次ページ】 オフェンスリバウンドを19本奪われ……。

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辻直人
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