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バスケ日本代表がW杯予選で4連敗。
「判断の連続」の能力をどう上げる?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byNanae Suzuki
posted2018/03/05 11:30
2月22日のチャイニーズタイペイ戦では8本の3Pを含む26得点をあげた辻。残り2秒で3Pを決めるもあと一歩届かなかった。
オフェンスリバウンドを19本奪われ……。
そして続く2月25日、バスケットボールを国技とする格上フィリピンとのアウェーゲームでも、84-89で敗れ去った。
オフェンスは改善されたが、今度はディフェンスが機能せず。とりわけオフェンスリバウンドは、相手に3.8倍となる19本も許した。狙ったディフェンスが機能しなかったというよりも、簡単にオフェンスリバウンドを許したことで耐えきれず、やられてしまった。
試合後に、指揮官のフリオ・ラマスもこう話している。
「オフェンスリバウンドを19本も奪われ、セカンドチャンスからの失点を21点もフィリピンに許してしまったことが敗因だと考えます」
結果として残ったのは、1次予選の4連敗。
残すはリーグ内最強のオーストラリアとのホームゲームと、チャイニーズタイペイとのアウェーゲームだ。
4チーム中で3チームが2次予選に進めるフォーマットとはいえ、6月の予選でチャイニーズタイペイがフィリピンに敗れたうえで、彼らとのアウェーゲームで日本が2点差以上をつけて勝利することが求められる。
渡邊雄太や八村塁に期待しすぎてはいけない。
では、そのために必要なのは何だろうか。
渡邊雄太や八村塁がアメリカでのシーズンを終えて6、7月の予選には加入できる見込みなので、彼らに期待する声は大きい。確かに、彼らの存在がチームにもたらすものは小さくない。
しかし、時間をかけて一緒に戦ってきたわけではない彼らがいきなり日本の力を上げてくれるというのは期待しすぎだ。チームとして作り上げてきたものが大きければ大きいほど、新戦力をそこに組み込むのは簡単ではない。
逆に言えば、彼らがすぐに力を発揮できるのならば、ラマスが日本にやってきた昨年7月以降、チームとして積み上げてきたものが小さかったことを証明することになる。
あるいは、2月の2試合にケガで出場できなかった富樫勇樹や馬場雄大の復帰も期待されるが、この先にケガ人が出る可能性もまた十分にある。誰かがいなかったから、というのは戦う前の言い訳でしかない。