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バスケ日本代表がW杯予選で4連敗。
「判断の連続」の能力をどう上げる?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byNanae Suzuki
posted2018/03/05 11:30
2月22日のチャイニーズタイペイ戦では8本の3Pを含む26得点をあげた辻。残り2秒で3Pを決めるもあと一歩届かなかった。
ラマス「選手が決断をしない」
そして、今年の1月の熊本合宿でのこと。ラマスHCも奇しくも、日本人の課題としてこんな風に語っていた。
「指示を待つという姿勢でいることはけっこう多いですよね。ただ、自分自身で考えられないのかというと、そういうことではないと思います。選手達たちが自分自身で考えているところはあります。ただ正しい言葉で表現するのならば、『自分で決断をしない』というのが近いと思います。
自信を持って、信頼しあって、決断ができるように。そのためにはもっとお互いに理解しあわないといけません。選手たちがその時あるオプションの中から自分で選ぶのだ、という考えを持つことです。我々は今、それをやっている段階です」
こうした判断力を磨くのは、実戦以外にありえない。そして、そうした判断力は高いレベルでの戦いを繰り返していくなかで、経験とともに身につくものである。
将来性のある選手がいるかどうかは関係ない。怪我人がいるかどうかも問題ではない。いま代表に選ばれている選手たちが、日本のバスケットボールの将来を背負っている自覚をもって一戦一戦に取り組むことでしか得られないものだ。目の前の1試合が将来につながる自覚をもって戦うことなくして、明るい未来はひらけないのである。