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葛西でも「気持ちがひるんじゃう」。
平昌ジャンプ台は、やはり酷すぎる。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byRyosuke Menju/JMPA

posted2018/02/13 12:20

葛西でも「気持ちがひるんじゃう」。平昌ジャンプ台は、やはり酷すぎる。<Number Web> photograph by Ryosuke Menju/JMPA

平昌のジャンプ競技では風の条件が違いすぎ、公平性が保たれたとは到底思えないが……。

「足先の感覚はあまりなくなっていました」

 その中でのしばしばの中断は、待機する選手たちの体温を奪っていった。中断すると、懸命に手足を動かし、息を吹きかける選手の姿が見られた。入賞した小林陵侑も「足先の感覚はあまりなくなっていました」と言う。

 あまりの寒さに、1本目の途中から席を立つ観客の姿が目立ち始めた。上位30名が進んだ2本目には、がらんとしたスタンドの光景があり、表彰式の頃には、ほとんどの観客が帰途についていた。それは寂しい風景だった。

 深夜帯に実施するという競技時間の設定は、放映権料を払うテレビ局の意向によるものだ。ただ、こうした極めて冷え込んだ環境では、より選手を、観客を追い込むことになる。

 16日には男子ラージヒル予選、17日に同ラージヒル決勝、19日には男子ラージヒル団体が行なわれる。

 どの日も今回のノーマルヒルと同様に21時30分に試合が始まる。ここからの試合もまた、気まぐれな風と、極度の冷え込みという2つの敵との戦いとなる。

 過酷な環境のなか、それでも選手たちは上位を目指し、平昌で戦い続ける。

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