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メドベデワ、ザギトワを生んだ
ロシア“虎の穴”潜入取材の舞台裏。 

text by

栗田智

栗田智Satoshi Kurita

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photograph byOlga Skorupskaya

posted2018/02/08 08:00

メドベデワ、ザギトワを生んだロシア“虎の穴”潜入取材の舞台裏。<Number Web> photograph by Olga Skorupskaya

バレエやダンスなど、スケーティングの技術以外の演技レッスンにも、多くの時間が割かれているサンボ70。

取材したかった、カリスマコーチのトゥトベリーゼ。

 取材はというと、フルスタリヌィのナンバー2であるエドゥアルド・アクショーノフ氏が対応してくれた。

 設立の経緯やこれまでの歩み、現在の生徒数、1日の練習メニューなどについてくわしく話を聞くことができた。

 ただ、メドベデワとザギトワの練習風景を見ることは可能だが冒頭の10分のみ、今日は市のお偉いさん方の見学もあるため写り込まないように撮影には気をつけてほしいとの注意を受ける。

 さらに、コーチのエテリ・トゥトベリーゼは大会直前ということで取材を受けるかどうかわからない、本人の気分次第で受けることもあるが、可能性は低いだろうという。

 強さの理由を語る上で絶対に外せないのがコーチのトゥトベリーゼの指導だ。聞きたいことは山ほどある。なんとしてでも話を聞かなくては……。

5分だけならインタビューを受けてもいい。

 ロシアでは敬意を払うべき相手の名前を呼ぶとき父親の名前に由来する「父称」を使う。質問の問いかけの際にも枕詞のように何度も使う。

「ゲオルギーさんのところのエテリさん」という意味の「エテリ・ゲオルギエブナ」。それを念仏のように唱えながら待っていると、再びアクショーノフさんが現れ、トゥトベリーゼは5分ならインタビューを受けてもいいと言っているという。

 5分……。

 それでも話が聞けるだけで御の字というものだろう。

 部屋に通され彼女を待つ。相手は“鉄の女”や“氷の女王”の異名で知られる人物だ。指導は猛烈に厳しく、相手が幼い子どもだろうとまったく容赦しない。生徒が泣き出すこともしばしばある。ソ連的、あるいは昭和的な鬼コーチとしてのエピソードには事欠かない。

【次ページ】 「言っとくけど、撮影はだめよ。準備してないから」 

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