Jをめぐる冒険BACK NUMBER
森保Jは人を代えても型がブレない。
サイドを広く使い、後ろから繋ぐ。
posted2018/01/17 12:40
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Getty Images
2-0から1点を返されてなおも押し込まれ続ける展開を、森保一監督は内心、歓迎していた。
今大会で初めて経験する劣勢のシチュエーション――。
だからこそ得られるものがある。それゆえ、選手交代で流れを変えるという策も、あえて採ることはなかった。
「耐えられれば成功体験になるし、最悪やられることになっても次に生かせる経験ができるんじゃないかと。それにディフェンスラインの選手を代えて修正できるかというと、距離感とか簡単ではなかったと思うので、耐えることで経験値やレベルアップに繋げてほしいという想いで見ていました」
果たしてゲームは、指揮官の思惑どおりの展開になった。
今大会4点目が、攻撃陣にとっての初ゴールに。
中国で開催中のU-23アジア選手権、グループステージ第3戦。すでにノックアウトステージ進出を決めているU-21日本代表(森保ジャパン)は、第2戦からメンバー11人全員を入れ替え、U-23北朝鮮代表戦に臨んだ。
北朝鮮のスタメンには、昨年12月のE-1選手権の日本戦でピッチに立ったA代表のメンバーが5人もいたが、先手を取ったのは森保ジャパンだった。
32分、伊藤洋輝(磐田)のFKを柳貴博(東京)が太ももで押し込むと、43分には旗手怜央(順天堂大)がドリブルで仕掛け、左外側から追い越した伊藤にパス。マイナスのクロスを中央で三好康児(札幌)が決めた。「洋輝は左利きですし、いい形で自分の動きを見てくれた」と三好。今大会、攻撃陣が奪った初ゴールとなる三好の一撃は、鮮やかなコンビネーションから生まれた。
2点のリードを奪った前半で目についたのは、3-4-2-1のウイングバックのポジショニングである。
攻撃のときは高い位置にせり出してしっかりと幅を取り、守備のときはディフェンスラインまで下がって5バックを形成。その動きがこれまでの2試合よりスムースで、メリハリが効いているように見えたのだ。