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マウンドと傾斜が違うブルペンって。
野球が上手くなるための意外な視点。

posted2017/12/26 07:00

 
マウンドと傾斜が違うブルペンって。野球が上手くなるための意外な視点。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

阪神園芸が管理する甲子園のマウンドが常に一定なのは有名だが、日本中の球場がそのクオリティを維持できるわけではない。

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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Hideki Sugiyama

 プロ野球では、敬遠の四球の“4球”がなくなる方向にあるという。

 監督が球審に敬遠の意思を伝えれば、走者は一塁へ向かう。来季、2018年のシーズンからそうなる動きだ。

 アマチュア球界では「タイブレーク」導入が進み、すでにルール化している大学・社会人では、その方法が変わる動きもある。

 野球はオフも、それなりに楽しい。

 報道の中で、または気づかないうちに野球が変わっていくのが、オフの時期だ。

 野球関係者が集まり、アルコールの勢いもちょっと借りた感じのリラックスした“雑談”には、捨て置くのはもったいなさ過ぎる教えやヒントがあちらこちらに見え隠れしているものだ。

 その日も、高校野球の指導者たちと話に花が咲いていた。

「昔から当たり前のように、みんなずっとそうやってるんだけど、ほんとはちょっと考えたほうがよさそうな練習って、ありませんかねぇ」

 池に小石を投じてみた。

「たとえば、どんな……?」

 波紋の最初の“輪”が開いた。

ひとつひとつの練習に、理由と目的を。

 たとえばブルペンでの、捕手と2人だけの「ピッチング練習」。

 実戦ではどうなのか? 2人のほかに、必ず打者がいて、球審がいる。それだけでも景色が全然違う。ならばブルペンでも、最低“4人”いて、1球1球ジャッジがくだされる。そうした環境でなければ、本当の意味でのピッチング練習にならないのではないか。

 そうした実戦に近い環境の緊張感の中で練習してこそ、本当の実力、つまり「実戦力」が備わるのではないだろうか。

「ウチなんか、僕が赴任した頃は、ブルペンにバッターボックスも描いてなかった」

 若い指導者が嘆く。

「なんで描かない? って訊いても、描かない理由が言えない。理由なんかないんですね、なんとなくそうやってた……それだけなんですよ。そこから僕、徹底したんです。ひとつひとつの練習に、必ず理由と目的を認識しよう! って」

【次ページ】 本番のマウンドとブルペンの傾斜が違う球場は結構ある。

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