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フェンシング日本選手権の秘密。
ポスターに込められた深い意味。 

text by

太田雄貴

太田雄貴Yuki Ota

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posted2017/12/06 08:00

フェンシング日本選手権の秘密。ポスターに込められた深い意味。<Number Web> photograph by FJE

これが噂の日本フェンシング協会制作のポスター! 左がW杯、右が全日本選手権。

決勝戦の1日の「パッケージ化」を目指す。

 これまで全日本選手権は、フルーレ、エペ、サーブルの3種目それぞれの男女決勝を金土日の3日間に分けて行っていました。そのため、もともと多いとはいえない観客も分散してしまい、競技間の待ち時間も長く、特に日曜日の会場は閑散としてしまっていました。

 そこで日程を大幅に見直し、各種目の準決勝を土曜日までに終え、日曜日は午後1時半から5時まで、決勝戦6試合を全て観ていただく形にしたのです。

 当日は、決勝に進出した計12選手の入場セレモニーから始まり、競技や選手インタビューはもちろん、競技の合間には各種目のプレゼンテーション(競技の説明)を私や日本代表経験者が行う予定です。それぞれの決勝戦は、厳しい戦いを勝ち抜いてきたファイナリストたちがドラマを作ってくれますが、それ以外のところも分単位でさまざまなプログラムを実施し、お客さんが手持ち無沙汰になる時間をできるだけ減らそうと思っています。いわば、決勝戦の1日の「パッケージ化」を目指します。

是非12月10日駒沢に足を運んで下さい!

 これまでにない試合形式ですから、選手には調整などの部分で負担を強いることになるかもしれません。でも、これまではあまりに観客、競技を観てくださる方々への目線をおろそかにしてきたと思います。観る人がいるからマーケットができる。観る人の視点に寄れなくなった段階で発展はありません。会長として腹を括る覚悟で、このような形となりました。

 私たちは競技組織としては小さいのですが、その分小回りも利きますし、動こうと思えばすぐに着手できることが強みです。やってみてダメだったら、もとに戻せばいい。これからも積極的にいろいろなことを仕掛けていき、少しでもフェンシングファンの数を増やし、フェンシングをやっていてよかったな、と思う人を増やしていきたいと考えています。

 12月10日には、会場の照明を落とし、会場中央にメインピストがLEDディスプレイとともに幻想的に浮かび上がるような仕掛けを準備しています。是非12月10日駒沢に足を運んでいただき、フェンシングというスポーツの凄み、真剣勝負の醍醐味を味わっていただければ幸いです。

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