【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER
Bリーグ副理事長とクラブ社長の両立。
千葉・島田慎二代表が語る改革とは。
text by
島田慎二Shinji Shimada
photograph byKyodo News
posted2017/11/10 07:00
千葉ジェッツの人気を上昇させた島田氏(右)。大河正明チェアマン(左)や川淵三郎氏とともに、Bリーグのキーパーソンである。
チームにいる時間が短いならスピードアップを。
かたや千葉ジェッツでは、物理的に1週間全力で注いでいたパワーが半減されるわけですよね。必然的にスタッフやブースターと向き合う時間も減りましたが、そういった状況下でも着実に成長させていかなければなりません。
チームにいる時間が短縮されるのであれば、スピードアップすればいい。
結果的には、スタッフやブースターの方とも、これまで以上に中身の濃い時間を過ごすことができ、数字も昨年以上に伸ばすことができています。また、経営が脆弱にならないよう、フロントの人数も増加し、システムの再構築とともに、スタッフの質の向上にも努めています。
若い球団らしく、ジェッツはここ3年で売上を急激に伸ばしてきました。しかし、ただ伸びればいいというものではないというのが私の考えです。数字と同時に、お客さま(ブースター)の満足度を上げることも重要です。
そういった意味では、もちろん数字は追っていますが、それ以上に「質」を重視していますし、それが今季のジェッツのテーマにもなっています。
Bリーグにはまだまだ顧客目線が足りない。
そもそも、なぜ私がバイスチェアマンを引き受けることになったのか。疑問に思われる方も多いかもしれません。
これまでBリーグの経営幹部には、クラブ経営の経験を持った人や経営者としての経験をしている人はいませんでした。
しかしながら、日本中で盛り上がっていく世界を作る過程で、Bリーグの幹部にクラブ(の経営)を熟知している人材や、そういった視点を持っている人材は必要不可欠で、本来であれば、そういった存在がリードしていかなければならないのです。
クラブ経営者としての立場で見ると、Bリーグにはまだまだ顧客目線が足りないと感じていました。バスケ界にとって何よりも大切な存在がブースターのはずなのに、顧客目線がなければ成功するはずがありません。だからこそ、川淵さん(バスケットボール協会エグゼクティブ・アドバイザー)も、クラブ経営者からバイスチェアマンを出したいと、私を指名されたのだと思います。