【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER
Bリーグ副理事長とクラブ社長の両立。
千葉・島田慎二代表が語る改革とは。
text by
島田慎二Shinji Shimada
photograph byKyodo News
posted2017/11/10 07:00
千葉ジェッツの人気を上昇させた島田氏(右)。大河正明チェアマン(左)や川淵三郎氏とともに、Bリーグのキーパーソンである。
経営難によって不幸になってほしくないんです。
1クラブの社長という立場のみで考えれば、島田塾の開催は「敵に塩を送る行為」と捉える方や不思議に感じた方もいたでしょう。
プロスポーツといえば、真っ先に頭に浮かぶのは、プロ野球とJリーグです。いずれも、チームは大きな資本で動いています。しかし、バスケットは一部企業チームもありますが、大半が普通のサラリーマンが脱サラして立ち上げたチームばかり。野球やサッカーに比べれば規模感が小さく、社会的認知度も低いのが現実ですが、自分の生活や命をかけて創設し、運営しているという背景を考えると、迫力があり、本気度がひしひしと伝わってきます。
ただ、経営経験が多いかといえば、そうではない人が多い。そこで何か少しでもクラブ社長の助けになれたらと考えました。チームが成長して大きくなって欲しいという気持ちはもちろんですが、なによりも、経営難によって不幸になってほしくないんです。
もちろん、それだけではありません。
各クラブが盛り上がってリーグが発展しない限り、真の意味で社会的な存在感は生まれません。
ジェッツは現在、売上高15億を目指していますが、現状ではアッパーが13億くらいと見ています。しかし、バスケ界全体が盛り上がり、うねりが出てくれば20億強までいくことは可能でしょう。
(バイスチェアマン就任は)ある意味、Bリーグ全体のためでもあり、ひいてはジェッツのためでもあると私は考えているんです。矛盾しているように思われるかもしれませんが、明確に利益相反していないという感覚は持っていますね。
ジェッツで行った改革がすべてとは考えていない。
ただ、ジェッツで行った改革ややり方がすべてだとは考えていません。
「県民性」という言葉もあるように、地域によって多少やり方が異なるのは当然です。それでも「経営者」として押さえなければならない共通項にはフォーカスし、浸透させていかなければなりません。
そこから応用を効かせるのは各クラブの努力次第。コツが分からなければ、私はすぐにでも、そのチームに飛んでいく。
ジェッツの成長はもちろん、リーグのさらなる発展のために尽力したいと思います。