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アジア1位は東京五輪へのスタート。
石川祐希のサーブは進化の象徴だ。
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byGetty Images
posted2017/08/10 11:00
決勝でカザフスタンを3-1で下し、2大会連続9度目の優勝を果たした日本。エース石川が大会MVPに輝いた。
バレーの国際大会は多いが、重要性が違う。
バレーボールの国際大会は多く、世界選手権やワールドカップなど4年に一度の大会が毎年開催されるため、何が一番大きい大会なのか、バレーボールにはあまり詳しくない、という人にはわかりづらい。
五輪翌年の今年度も9月にワールドグランドチャンピオンズカップが開催されるが、出場するのは男女6チームずつであり、新監督が就任した日本のように、新たな体制で戦力となる選手を見極める要素が強い。日本にとっては勝敗よりもまず、世界のトップとどれだけの差があり、その差を埋めるために何をすべきか。今後につながる課題を明確にすることが重要な目的でもある。
世界選手権の予選こそが、今年最も重要な大会だった。
そのため、中垣内祐一新監督が就任した男子日本代表も、今季最も大きな比重を置いていたのが7月にオーストラリアで開催された、世界選手権出場がかかるアジア最終予選だった。
チャイニーズタイペイ、ニュージーランド、タイ、オーストラリアとの総当たりリーグを1位で終えた日本は、来年イタリアとブルガリアで開催される世界選手権の出場を決めた。
新チームにとって初めての公式戦となったワールドリーグから間もなく世界選手権アジア最終予選を戦い、わずか数日を挟んで今度はトーナメント形式で王者が決まるアジア選手権。
試合を重ねることが重要な時期とはいえ、中垣内監督が「試合が続いてコンディションを整えるのも難しい。別のチーム、メンバーで臨むことも考えた」と言うように、それほど比重が高いわけではなく、疲労がたまった選手にとってはモチベーションやコンディションを維持することも難しい大会ではあった。しかし、実戦を重ねることでしか得られない手応えや、見つかる課題は多くある。