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アジア1位は東京五輪へのスタート。
石川祐希のサーブは進化の象徴だ。

posted2017/08/10 11:00

 
アジア1位は東京五輪へのスタート。石川祐希のサーブは進化の象徴だ。<Number Web> photograph by Getty Images

決勝でカザフスタンを3-1で下し、2大会連続9度目の優勝を果たした日本。エース石川が大会MVPに輝いた。

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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 強打を警戒する相手の前に、ぽとり、と緩くボールが落ちる。

 7月24日から8月1日までインドネシア・スラバヤで開催されたアジア選手権決勝のカザフスタン戦。

 男子バレー日本代表のエース石川祐希は、バックアタックさながらの強烈なものではなく、相手の守備布陣を見て打つ瞬間にテニスのボレーのように空中でタイミングを合わせたショートサーブを放った。ここまでの連戦から、石川のサーブで日本が得点を重ねていたことを警戒したカザフスタンの選手はコート中央よりもやや後方で守っていたが、ボールが落ちたのはアタックライン付近。予想と異なるサーブにカザフスタンの選手は対応できず、そのままサーブポイントとなった。

「思ったよりも簡単に崩れてくれた」

 相手の裏をかいた狙いを、石川が明かす。

「(7月にオーストラリアで開催された)世界選手権のアジア最終予選はまだ腰が痛くて、全力でサーブが打てなかったし、ショートサーブも調整できなくてチャンスサーブしか打てなかったんです。今はコンディションも上がってきたし、腰も大丈夫。サーブは常に攻めるものだけれど、全部全力で打つだけだときついから、ショートサーブも入れておこうと思って、あえて狙いました。思ったより崩れてくれたので立て続けに打ったんですけど、あまりずっとショートサーブだけだったら揺さぶりにならないので、ところどころは、強く打つ。そうしたら思ったよりも簡単に崩れてくれたので、効果があったなって。試合の中でいろいろ試すことができてよかったです」

 国内もアジアも、もちろん世界も。

 今、バレーボールで勝つために最も重要な要素は何か、と問えばおそらく多くの人が口を揃えるはずだ。

 サーブだ、と。

 2015年大会に続いて2大会連続9度目のアジア王者に輝いた日本代表も、勝利を手にする大きな武器となったのがサーブだった。

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