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大学でもプロでもメジャーでも。
清宮幸太郎の誇りは「チームメイト」。
text by
田村航平(Number編集部)Kohei Tamura
photograph byYuki Suenaga
posted2017/07/22 08:00
西東京大会5回戦・法政大高戦の第2打席で、「こすってしまった」と言いながらも右中間に今大会3本目のホームラン。
実は……メジャーに関する知識を豊富に持つ清宮。
そんな清宮も高校3年生とあって、進路の話題がかまびすしい。早大進学なのか、プロ野球なのか、はたまたメジャーに挑戦するのか……。
清宮はメジャーの知識が豊富で、話の節々にメジャーリーガーの名前が出てくる。
打撃練習はデービッド・オルティスを参考にして左方向から打ち始めると言うし、試合でチームメイトが打ちあぐねていると「楽に打とうよ、相手は(クレイグ・)キンブレルじゃないんだから」と声をかけていた。メジャーへの興味や憧れは、少なからずあるのだろう。
また、すぐにでもプロ入りした方が良いとの意見もある。
ある大学の野球部の監督は、「極端なことを言えば、ピッチャーは自分のボールを磨けばいいからどんな環境でも成長できる。だけど、バッターは常に受け身の立場だから、ピッチャーのレベル以上の実力が身に付くことはない。すぐにでも上のレベルのピッチャーと対戦した方がいい」と話していた。
早大進学でも清宮ならば有意義な4年間になるはず。
どうしてもドラフト1位候補の高校生が進学すると、「プロでやる自信がない」「引退後のことを考えている」と守りに入っているかのようなとられ方をしてしまう。
だが、前述の斎藤のように、そもそも学生野球が好きな人もいる。
仮に早大進学を選んでも、清宮であれば仲間とともに有意義な4年間を過ごせるだろう。早慶戦で3万人の観衆を前にプレーしたり、高橋由伸の持つ六大学リーグ通算本塁打記録23本に挑戦したり……充実の時間を過ごした後にプロ入りしたって、それは無駄にはならないはずだ。
高校でもプロでもメジャーでも、どんな進路を選ぼうと清宮は楽しく野球をやってくれるだろう。だから今は、今だけの仲間と目いっぱい楽しんでほしい。