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大学でもプロでもメジャーでも。
清宮幸太郎の誇りは「チームメイト」。
posted2017/07/22 08:00
text by
田村航平(Number編集部)Kohei Tamura
photograph by
Yuki Suenaga
当時早大4年だった斎藤佑樹が、こんなことを言っていた。
「学生野球、大好きです。自分はアマチュアで育った人間ですから」
斎藤が早大野球部の第100代主将として掲げたチームスローガンは、「全力~バカになって声を出せ~」というものだった。4年秋のリーグ優勝を決めた直後のインタビューでは、「何を持っているのか確信しました。それは仲間です」という言葉を残す。
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クールなイメージとは裏腹に、熱い思いを秘めていたのである。そういえば、『少年ジャンプ』の漫画も好んで読んでいた。「友情」「努力」「勝利」……生来、熱血漢タイプな人なのだろうと思う。
アスリートの中には、自分の能力を高めることより「みんなで何かを成し遂げる」ことをモチベーションにする人もいる。例えばサッカーの本田圭佑は、Number884号のインタビューでこう発言していた。
「みんなで進んでいる人生が好きなんです。ひとりで進んでもつまらないじゃないですか。ひとりだったら“これだけ”の量しか運べないでしょ。みんなで運べるものを運びたい。みんなでしか持ち帰れないものを、みんなで持ち帰りたいわけですよ」
海外クラブを渡り歩いて己の道を歩んでいるように見える本田が、日本代表の仲間とのW杯優勝を目標にすることの理由が垣間見える。
早実の清宮幸太郎もまた、この志向を持っているように見える。いつも清宮は自分のバッティングより、チームメイトの話を楽しげにしていた。
自らの本塁打より、仲間の好プレーを本気で喜ぶ男。
2年生の4番・野村大樹については、「たくさん注目されている打者がいる中でも、桁違いにすごいと思います。アウトにならない技術を持っている」とべた褒めする。
今大会前、チームの1番打者が決まらない中、3年生の橘内俊治が志願したことにも、「今までのあいつだったらなかったこと。言動が見違えるようになって、それが結果にも出ている」と感心していた。日常的にチームメイトのことをよく観察していて、その変化にも敏感に気付く。
高校通算106号を放った、西東京大会5回戦・法政大高戦の後もそうだった。
勝因に自身のホームランよりも雪山幹太投手(2年)の好投を挙げた上で、「セカンドも際どい球をジャンピングスローして、ショートも前に出てしっかり投げて、サードもエラーしそうになりながら粘ってアウトにしてくれた」と内野陣の奮闘をひとつひとつ称えている。