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データで占う今年のJ1降格クラブ。
勝点ひとケタで折り返した新潟は……。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/07/13 11:30
15位の札幌とは勝点差8。得失点差でもダントツの最下位。新潟が残留するためには、奇跡が必要だ。
残留ラインは、上位クラブの勝点で決まる。
さて、今シーズンのJ1残留ラインはどのあたりになるだろう。
一般的に残留ラインの勝点は、試合数プラスアルファと言われる。'16-'17シーズンのヨーロッパ主要リーグを見てみよう。
J1リーグと同じ34試合で争われるブンデスリーガで、自力で残留できる15位のマインツは勝点37を獲得した。20チームが38試合を消化するプレミアリーグでは、勝点40のワトフォードが残留圏ギリギリの17位である。
勝点はリーグ全体で奪い合うものだから、上位陣が走れば下位チームの勝点は減る。残留ラインを設定するには、上位チームの勝点にも着目するべきだろう。
今シーズンの前半戦終了時で首位に立った鹿島アントラーズは、勝点36を獲得した。首位チームが勝点36で折り返したシーズンは、2010年、'13年、'14年も同じで、'10年は勝点38のヴィッセル神戸が15位で残留した。'13年は勝点37でヴァンフォーレ甲府が15位に収まった。'14年は勝点36の清水が同35の大宮を振り切り、15位を確保している。
上位チームの勝点から残留ラインを弾き出すと、「36」から「38」が現実的な数字になるだろうか。
新潟が勝点36に到達するためには……?
そこで、今シーズンの下位チームを見てみる。
最下位の新潟は、18節を終えて勝点8だ。勝点36とするには、勝点28を上積みしなければならない。'08年の千葉が、後半戦で加算したのと同じ数字だ。残り16試合を9勝1分6敗、8勝4分4敗、7勝7分2敗などの成績がマストになる。前半戦で2勝しかあげていないチームには、困難なミッションと言わざるを得ない。
勝点38となると勝点30の上積みが必要で、10勝に相当する勝点を稼がなければならない。こちらは残り16試合を10勝6敗、9勝3分4敗、8勝6分2敗などの成績が必要だ。ハードルは高い。あまりにも高い。