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ラグビーW杯御手洗会長との対話で、
NSBC発起人・池田純が考えたこと。
text by
二瓶仁志(Number編集部)Hitoshi Nihei
photograph byShigeki Yamamoto
posted2017/06/27 17:00
御手洗会長と共に。'19年の日本W杯に向け、ラグビー協会に対し「1人の人間がリーダーシップを取るべき」と語った池田氏。
ラグビーの組織論は日本人の精神風土に合う!
――ラグビーの精神は日本人に合う、とお話しされていましたが、具体的にはどのような点にそのことを感じますか。
「戦術が高度で頭を使いますし、チームメイト同士が支え合わないと成り立たない。1人ではどうにもならないけれど、全員が死ぬ気で戦って、戦術と魂が合致すると勝てる。15年のW杯で南アフリカに勝てたのは、その最たる結果でしょう。
ビジネスマンや組織に所属する人間が、観戦して共感したり参考になったりする要素が多い。とはいえ、私はまだ勉強中の身。観戦の機会を増やしてラグビーの真髄を学んでいる途中です」
――今年の2月にスーパーラグビーの開幕戦、サンウルブズ(日本)対ハリケーンズ(ニュージランド)の試合を観たそうですね。
「ハリケーンズのプレーにはとても興奮させられました。パスも、ランも華麗で迫力がある。妻と9歳、3歳の子どもたちと観戦したのですが、全員が『かっこいい!』『ええ!?』『おお!』と思わず声をあげていました。妻と子どもたちはラグビーのことをよくわかっていなかったけれど、直感的にプレーのすごさを理解できたのでしょう。
そこからさらに、場内演出や応援の誘導、エフェクトを使った映像などを駆使すれば、より魅力的になると想像しながら観戦していました」
地域に密着していたオーストラリアン・フットボール。
――池田さんはオーストラリアにいらっしゃったころ、パブでよくラグビー観戦をされていたそうですね。
「オーストラリアンフットボール(AFL)ですね。ビールを飲みながら観ていましたよ。すごい盛り上がりでした。その時に買ったキャップはいまだに大切に取ってあります。
オーストラリアはビールの国ということもあり、ビール・地域・ラグビーがセットになって存在していました。
クイーンズランド州のビールは、ラベルが臙脂色と黄色の『フォーエックス』。同州のAFLチーム・ブリスベンライオンズも臙脂と黄色のユニフォームを着ています。代表チーム・カンガルーズのユニフォームは緑。それはビクトリア州中心にこのラグビーが行われていて、『ビクトリアビター』のラベルが緑色であることにつながっています。これほど地域に根付き、みんな熱狂的にスポーツ観戦している場に通えたことは、とても充実した経験でした」
――オーストラリアのように地域に密着したラグビー文化を、'19年W杯の12カ所の開催地でも生み出せればいいですね。
「そうなんですよ。海外流を参考にしつつ、日本でいかに盛り上げるかを考えなければいけません。
とりあえずW杯は会場が埋まりました、それでオッケーとはいかない。
繰り返しになりますが、重要なのはその後にいかにつなげるかということです。ベイスターズで培った、地域密着型の球団経営の経験を、少しでもラグビー振興に活かせるよう、積極的に声をあげていきたいです」
Number Books
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