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普通に戦えば「アジアのバルサ」。
川崎のACL8強、8戦無敗の必然性。
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/05/31 16:00
ムアントン戦で2試合7ゴール。今季から指揮を執る鬼木監督のもと、これぞフロンターレという攻撃姿勢が実った。
Jリーグの「金曜日開催」が大きなサポートに。
ここ数年、Jリーグ勢はACLでの苦戦が続いており、昨年はラウンド16でJクラブがすべて敗退。しかし今年は4チーム中3チームがグループステージを首位で突破するなどJクラブ勢が躍進している。さらに川崎がグループステージから無敗のままベスト8進出を果たすなど、巻き返しの流れが出来つつある。
では、その要因は何なのだろうか。
まず今年のACLを戦う上で大きかったのが、Jリーグのサポート体制だ。
具体的に挙げるならば、日程面である。
韓国のKリーグや中国の超級リーグのライバル国のクラブは、国内リーグの日程を調整してACLの準備をしてきたのに対して、Jリーグではそうした変更があまりなされてこなかった。だが今年はリーグ戦の平日開催や日程の延期などの配慮がなされている。そのことについて中村は、こんな風に感謝の言葉を述べている。
「今年は(Jリーグの)金曜日開催が多い。これは相手クラブのサポーターも含めた協力もあってのこと。そういう風に、みんなのサポートは感じている。結果を残さないといけないですよね」
このラウンド16でも、第1戦と第2戦の間に開催される予定だった週末のリーグ戦を延期。1週間のインターバルにより、フレッシュな状態で第2戦を戦うことができている。それがチームの好パフォーマンスに直結するのは当然のことと言える。
ピッチ内では特別な対策は意識していない?
一方、ピッチ内に関してはどうだろうか。
例えば、ACLという大会を戦う上で、チームのスタイルにどこか微調整を施して臨んでいるのかどうか。何人かの選手に聞いてみた。
「自分にとっては、それほど違いがあるとは感じていません。もちろん、対戦相手がいつもとは違うが、それほど大会との違いは関係ないですね」(ネット)
「リーグと区別するつもりはないですが、どの試合でも自分たちのサッカーができるようになってきたのが大きいと思います。なかなか(ACLで)勝てなかったときは、リーグでもうまくいってなかったので」(車屋)
選手たちの感想を聞く限り、特別な対策は意識していないという印象だ。